玄葉光一郎外務相の訪中に続いて、野田佳彦首相が12月12~13日にかけて中国訪問を予定しており、現在中国側と調整を進めている。報道によると、野田首相は初訪中で、両国の戦略的互恵関係の深化を確認し、摩擦が存在する中日関係の改善を図る見通し。『世界新聞報』が伝えた。
◇中国への多くの要求
困難に陥る外交局面を打開するため、野田首相は就任後、米国に環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を約束したが、「売国」と非難の声が反対派からあがり、内閣の対立感情が悪化した。
野田首相は本来12月下旬の訪中を計画していたが、中国との関係改善を通じて、いち早く外交面での難局を乗り切り、国内における地位を固めようと予定を前倒ししたとみられる。
野田首相は初訪中で中国に多くの要求が提出し、要求は主に安全保障と経済協力の2つの分野に集中すると推測されている。
玄葉外相は訪中の際、中国の楊外交部長に「海上危機管理メカニズム」の構築を正式に提案。外国部門のほかに、双方の海洋管理部門、海事機関、公安部門もそれに参与することを望んだ。玄葉外相の訪問は、野田首相が中国を訪問中に中国の指導者と協議を締結するための下準備だといわれる。
また、日本は南中国海問題に関して中国に説明する必要がある。日本の外務省は「中国牽制の意図はない」としているが、野田首相の訪中が中国側の懸念を解消できるかが両国関係回復の鍵を握っている。
日本経済の現状を考えると、元財務大臣の野田首相としては訪中期間に輸出振興、経済協力拡大などの議題も持ち出すだろう。
◇対中外交を怠った背景
野田首相の訪中は、中日の戦略的互恵関係の深化、摩擦が存在する両国関係の改善が目的だとみられているが、中日関係は非常に複雑で、真の関係改善を図るには、即効性のある特効薬などなく、根本的なところを細かく調整していく必要がある。
民主党が対中外交を怠った背景には次の2つの要素が考えられる。第1に、民主党政権が発足後に提示した外交路線「脱米入亜」によって日米の同盟関係に亀裂が入った。米国側の重圧により、日本は日米関係の修復に着手、それが直接対中外交の転換につながった。第2に、民主党は中日の敏感な問題を処理する際、常に自分の立場を強調し、強硬な姿勢をとってきた。そのため問題が激化し、ついには中日双方の利益を損なうことになった。
野田首相の今回の訪中は中日関係改善の重要なきっかけになることは間違いないが、1回の訪問ですべての問題が解決するはずがない。日本政府はまず、冷静かつ長期的な対中外交政策を打ち出すべきだ。そうすることで両国関係は、「外的圧力」や「突発事件」の影響を受けずに、健全かつ安定した発展をしていくことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月28日
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