2010年の不動産調整以降、中国の不動産市場は明らかに熱が冷め、重点都市の不動産価格に動きが出て、9潤オ10月の下落幅は大幅に拡大した。今は中国の不動産市場が重要な時期を迎えているといえる。
90年代、日本の不動産バブルが崩壊したが、その後、日本の不動産市場は良性の軌道に乗り、今では既に合理的な価格に戻っている。日本は手を打つのが遅く、政策が不適切だったため、経済の長期低迷を招いたが、当時の日本が不動産バブルを自ら弾いた勇気は称賛に値する。
日本政府のやり方には2つの議論が存在する。ひとつは、日本政府は自らバブルを弾くべきだったのか?という問題でいまだにその答えは出ていない。しかし、08年米国のサブプライムローンがきっかけで起きた世界的な金融危機が、政府は自らバブルを弾くべきとの答えを示唆している。バブルが持続した場合、不動産の有効需要が低迷するか、不動産購入者がローンを返済できないかで、結局バブルは崩壊する。
もうひとつは、日本政府がバブルを弾いた時期は正しかった?バブルを弾いた時期には確かに2つのミスが存在する。ひとつは、日本政府の行動が遅すぎたこと。バブルが実質的な危害を及ぼすまで対策を取らなかったこと。バブルが形成する初期の段階で有効な措置を施せば、バブルの蓄積と形成は回避できたはずだ。次に、日本政府の措置が漸進性を欠いていたこと。この点は非常に注意すべきで、日本政府が土地管理、税政調整などの措置をとった後、既に市場は打撃を受けており、タイムラグにより顕著な効果がみられなかったことは多くの学者が指摘している。こうした(一時的に政策の効果がみられない)状況にあって、日本銀行は立て続けに金利を引き上げ、「劇薬」を投下した。
日本のこうした事例から、中国は次の3点を学ぶことができる。
(1)バブルが収拾がつかなくなる前に調整を行う。一旦バブルが形成されるとコントロールは非常に難しく、バブルの崩壊も、バブルの危害も調整不可能となる。
(2)資産価格をマクロ政策調整の範囲に組み込む。資産バブルの危害はインフレよりも軽いとはいえない。
(3)不当な政府と企業の関係が政策に影響するのを回避する。バブルの深刻度と危害について、不動産会社などは大したことないように説明したり、「不動産が産業の発展を促す」という表面的な現象で覆い隠そうとする。正常な状況では、不動産業の発展が鉄鋼、コンクリート産業の発展、雇用を促進するが、バブルが発生し崩壊すれば、不動産業は何も促進できないどころか、経済全体を巻き添えにすることになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年11月22日
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