環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加をめぐる問題で、日本国内の反対派からの強い抗議と民主党議員らによる慎重な対応を求める声を前に、野田佳彦首相は再び「どじょう戦略」を用い、「言葉遊び」をして国内の包囲網を切り抜けた。アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためハワイに向かう前に、首相は「自らの政治決断」として交渉参加を決めたが、今後の交渉で日本政府は多くの試練に直面することになる。
日本はTPP交渉参加という政策方針を間接的に表明したが、これによる日本に対する扱いの改善はない。昨年横浜で開かれたAPEC首脳会議に、当時の菅直人首相はオブザーバーとして招かれたが、野田首相は態度表明後に出席を拒まれた。このような扱いを受けた野田首相は、交渉参加を実現させるまで、日本政府が長い苦難の道に立たされる恐れがあることを悟ったのではないか。
一つ目の試練は、国民の理解をどのように得るかだ。NHKの調査によると、野田内閣の支持率は45%で先月より8ポイント下がり、不支持率は30%に上昇した。またその他のメディアが行った世論調査では、支持率は約40%に低下している。調査対象者の6割がTPP交渉参加に不安を感じており、参加を支持する人はわずか34%しかいない。
二つ目は、日本政府の交渉能力だ。日本のGDPは米国を除く8カ国のTPP交渉参加国・加盟国の合計に相当するが、交渉における日本政府の最大のライバルは盟友の米国である。過去の米国との外交交渉で、日本は例外もなく「日米同盟の重視」を理由にしきりに米国に譲歩してきた。米国が「高い基準」と称するTPP交渉で日本政府が米国の圧力に耐えられるかが最も肝心である。
三つ目は、その他の加盟国との関係だ。交渉に関して言えば、参加国同士の関係は対等なはずだが、米国主導の交渉に日本が加われば、その他の新興国との関係について考えなければいけない。知的財産権の保護において、日本は米国と協力できるが、自国の農業の保護などに関してはその他の加盟国の支持と協力が必要である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年11月16日 |