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中国と日本  
日本から学ぶべき「国鉄改革」

 

◇説得力のない改革反対派

国鉄改革では、前例のない「区域分割」形式が採用された。(もう一つ代表的な形式はスウェーデンの「上下分離」式である。多くの欧州国が模倣している。)もともとの鉄道網を6つの旅客運送システムと1つ貨物運送システムを含む7つの地域サブシステムに区分けするというものだ。この種の形式は経営と計算単位を細分化し、鉄道企業の運送市場における適応力及び応用力を強化した。更に重要なのが、この形式が競争システムを最大限導入したことである。

国鉄の改革は、やはり大きな抵抗に遭った。地方政府にせよ、社員組合にせよ、みな民営化には猛反対だった。羽生氏は改革当時、赤字地方路線の削減を担当しており、地方への調査に向かった際、市長と口論になり、市長側が召集した市民も大声で「お前は人か鬼か、我々の「足」を叩き切るのか?」と羽生氏に詰め寄った。

巨大な負担は、もはや政府の手に負えないものとなっていたが、この改革により、様々な困難に打ち勝つことができた。赤字対策の一環として、線路短縮を決定、総距離28000キロのうち、6000キロを削減した。

当時を振り返ると、改革反対派の主な論点は、民営化後、鉄道の安全性を保証できないというものだった。羽生氏は、この20数年の民営化が、それを否定したと感じている。大沼氏も、大事故が会社倒産をもたらす可能性があるため、鉄道会社はより安全を重要視すると強調する。

改革前、国鉄を分割すれば技術力も分散してしまうのではという心配の声もあったが、これも後で全くの杞憂だったと証明された。羽生氏によれば、国鉄時代には技術革新ではなく、赤字削減にばかり精力が集中していたため、改革後にようやく技術面での日進月歩が実現したのだという。超電導磁気浮上鉄道(リニアモーターカー)についても民営化前の研究に30年を費やしており、改革後も継続され、完成目前の状態だ。「技術開発は、閉じられた部屋の中で行なうのではなく、市場とリンクして行うべき」なのである。

民営化が鉄道会社に活力をもたらし、JRは一つの新しい商業形態を発展させた。それが、駅周辺の土地を買い取り、不動産業者と共同開発し、鉄道によって土地の価値を上げ、大きな収益となっている。この柔軟な経営方式は、国鉄時代には考えられないものだった。

大沼氏によれば、JR各社はみな鉄道の利便性とそのスピードをアピールしている。これは、民営化競争がもたらした結果であり、国鉄時代にはあまり注目されなかった点である。利便性とスピードを手にした鉄道市場は、改革前に心配された段階的縮小が進むどころか、逆にその「パイ」を拡大させている。今、JR東日本、東海、西日本、九州は全て黒字を実現し、政府からの借金も全て返済を完了した。

興味深いことに、改革後20年以上、JRは一度も運賃の値上げを行なっていない。誰もが国鉄の改革は成功だったと認めざるを得ない。

羽生氏によれば、改革がもたらしたマイナス面は、激しすぎる競争にあるという。各社とも20秒遅刻しただけで罰則を受ける等、社員への要求が厳しい。2005年、兵庫県の普通列車が故障し、その処理後、運転手が時間の遅れを取り戻すためにカーブで減速しなかったため、100名以上の死者を出す事故を起こした。

当時、国鉄の改革が比較的スムーズに完了したのには、そのタイミングも大きく寄与している。前世紀80年代中期、日本の経済指数は最高レベルにあり、市場は解雇された国鉄社員を十分に吸収することができたのである。

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