日本大震災発生以降、日本企業の苦境が取沙汰され、中国国内においても「日本の技術はもう終わり」や「中国の技術はすでに日本を上回っている」等の見方がある。これについて、著者の考えでは、日本企業の技術的実力は過小評価されるべきでなく、発展技術において「無形王者」である日本企業には、我々が注目し、学ぶべき特徴が多く存在する。(文:中国社会科学院栄誉学部委員 馮昭奎)
まず、第一に、導入である。日本企業はこれまでずっと積極的な技術導入を行なってきた。そしてそれを本当の意味で消化し、自身の生産システムを確立してきた。目下、日本は技術領域において世界でもトップクラスに位置しているが、海外の先進的技術を重視する姿勢は変わっていない。
第二に、開発である。日本の大中小企業ともに技術開発を重視している。
第三に、実践である。日本企業は技術革新を徹底的に行い、生産力の発展を促進している。
20世紀、多くの科学発明はすべて欧米諸国によるものだった。しかし、その新発明や試作品の大量生産を可能にしたのは、その多くが日本人だった。例えば、液晶は一種の物理現象として早い時期に科学者によって発見されていたが、応用されることなく忘れ去られていた。それが、60年代後半に日本人が小型パソコンを開発したことで、液晶の性能は大量生産の製品レベルにまで上がった。
第四に、技術崇拝主義である。日本企業の技術構造はピラミッドのようになっており、他社に真似できない「特技」と優れた技術を持つ職人を抱える無数の中小製造企業が「Made in Japn」ピラミッドの基礎となっている。日本の中小企業の多くが中間製品の市場で大きなシェアを占めたり首位に立ったりできるのは、その技術製品を作れる企業がその一社のみ、つまりオンリーワン企業だからである。
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