日本の民間調査会社が8月、日本の大中小企業1万2000社を対象に「産業の空洞化」に関するアンケートを行った。その結果、多くの企業が海外への移転を検討していることがわかった。その主な理由として49.2%の企業が「円高」を挙げた。
では、円安になれば日本の「産業の空洞化」は解決するのか?それは難しいだろう。まもなく起きる産業の大移転は見た目は円高によるもののようだが、実際には日本国内の悪い経営環境、新興国の魅力拡大こそが根本的な原因となっている。
◇日本企業の経営環境の悪化
内部の原因をみると、日本企業の経営環境悪化により、企業はすでに重荷を背負えなくなっている。近年、日本企業の所得税は上昇、各国との自由貿易協定の話し合いは一向に進まず、企業を支援する各政策もなかなか打ち出されない。多くの日本企業は国内の経営環境を「6重苦」「7重苦」と形容している。
90年代の経済バブル崩壊後、日本経済は悪循環に陥った。企業は適当な利益が上がらず、税金を国に納められないため、国の財政収入が大幅に減少した。
それでも国は運営しなければならない。教育、医療などは欠くことのできない出費だ。そのため国は企業の税率を引き上げるほかない。企業は税率が引き上げられ、利益が減り、さらに国に納める税が減る。日本は財政困難に陥り、企業も重荷を背負えず、海外に移転するしかない状況に追い詰められている。
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