こうした動きは懸念を引き起こさざるを得ない。正常な人数の範囲で中国人の富豪が日本などの先進国でする買い物の様子から判断すると、中国では今後、資産の「海外流出」ペースがますます加速するとみられる。原子力発電所の事故による放射能の影響がまだ完全に消え去っていない8月の中国人観光客の消費金額を基準に計算したとしても、今後年間で少なくとも50万人の中国人富豪が消費によって資産を日本に流出させるとみられる。これは国内消費市場から150億ドルの購買力が失われたことに相当する。こうしてみると、中国人富豪が日本などで過度な消費を行い、他国の内需拡大を助けるというのは提唱するに値しないことだ。
実際、中国人観光客が日本で買う商品の多くは基本的にメードインチャイナであり、看板だけつけかえて日本市場で売られているものだ。欧米の一連のブランドであれば中国にも多くの専門店がある。全体としていえることは、日本で売られている高級商品は中国よりも高額だ。千里はるばる日本まで行って買いあさる必要はまったくない。
中国人観光客は日本で1カ月の間に299億円を消費した。この金を中国での消費に回せば、企業への注文が増え、失業しないで済む人が増える。日本の商品は質がよく、価格も手ごろなので、日本で買い物をするというならまだ理解できる。だが中国と日本とで商品の質も価格も変わりがなくなった今日では、買い物のためにわざわざ旅行へ行くのはやめるべきだ。日本には美しい風景が数え切れないほどある。中国人観光客は日本の各地をめぐって、たくさんの風景を眺め、美しい自然の景色を楽しみ、旅を通じて日本の人々とふれあうのがよい。これは商店に押しかけるよりもずっと意義あることではないだろうか。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年9月23日 |