野田佳彦新首相が民主党代表選の演説で引用した詩人・相田みつを氏の作品「ドジョウ」が脚光を浴びている。作品集は急きょ増刷が決まり、相田みつを美術館(東京都千代田区)は来館者が急増。関係者は新首相の「ドジョウ政治」に期待を寄せる。
「ドジョウがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」
「ドジョウ」は1986年前後に雑誌で発表、テーマは「自分を他人と比べない」。相田氏は1991年に死去、彼の作品集はダイヤモンド社(東京)が出版している。代表選後、ダイヤモンド社には大量の発注が寄せられ、社員らは在庫の発送に追われた。そうした中、5000部の増刷が決まった。こうした反応に、担当者は「全く予想しなかった」とコメントする。
相田みつを美術館には8月30日、平日の1.5倍にあたる約1500人が来館。これまで「ドジョウ」は展示されていなかったが、尋ねる人が相次いでおり、売店の作品集も売り切れだという。美術館はこの作品展示を検討中だという。
相田みつをさんの長男で館長の一人(かずひと)さんは「地味な作品なので、演説に取り上げられたのは意外。作品には父の生き方が簡潔に表現されている。広く知ってもらえるのはうれしい」と話す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月5日 |