政治面では、野田氏は中庸右寄りであり、最右翼や極右ではないと思う。保守中道の右寄りだ。中庸というのは野田氏の思想、観念のことだ。自らが日本社会の中で、特に学習過程や、子どもの頃から現在までに聞き、知り、理解した観念や知識が、野田氏の歴史観、戦争観に重要な影響を与えている。戦後生まれの野田氏は、あの辛い歴史を経験しておらず、被害国の受けた苦しみを身にしみて感じたことはない。このため思想傾向において、特に1990年代以降のここ20数年間に日本政治の右傾化がさまざまな形で表面化する中で、野田氏の歴史認識、特に先般の発言は問題をきたしている。だが私は、野田氏が財務大臣の間、靖国神社を参拝しなかったことにも注意を払っている。首相就任後、中国に弱みを見せることはないが、挑発に出る可能性も必ずしも大きくないだろう。もちろん、対中政策にせよ中日関係にせよ、首相1人で決められることではない。緊急の不測の事態が発生した場合、首相として強い姿勢で応じる可能性は排除できない。だが任期中は原発事故、財政再建、経済再建、震災復興への対応が中心となる。こうした国内の難題が山積する中で、挑発に出る可能性は大きくない。それでも挑発するとすれば、背後で米国が絡んでいるはずだ。
■伝統的な日米関係基軸路線に回帰
----野田氏は首相就任後、対外関係でどのような措置を講じるか。
野田氏はまず対米関係を考慮し、就任当日に米側と挨拶を交し、コミュニケーションを取るだろう。中日関係を日米関係よりも優先したり、上に置くことはなく、伝統的な日米関係基軸路線に回帰するはずだ。だがこれは中国を重視しないという意味ではない。日本は3つの再建を抱えながらも中国の台頭に備え、肯定的側面でも否定的側面でも中国を一層重視するようになる。来年は中日国交正常化40周年にあたる。野田氏自身も、中日関係の問題においてはできるだけ大きな波風や面倒を起こしてはならないということを考慮すべきだろう。そうすることで中日両国首脳の相互訪問が実現する。これは日本の3つの再建のみならず、野田氏自身の安定政権実現にも寄与する。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年9月1日
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