野田氏の直面するもう1つの難題は、菅政権時代の野党との「冷戦」状態の終結と「ねじれ国会」の緩和だ。野田氏は代表就任当日に自民党と公明党の党首のもとを訪れ、丁寧に挨拶するとともに今後の協力を要請した。自民党の谷垣禎一総裁が最初に質問したのは「3党合意」の扱いだった。野田氏は「3党合意」を引き続き恪守する方針を表明した。「3党合意」とは民主党と自公両党の間で交された書面の合意。民主党は「3党合意」と引き換えに重要法案の採決で自公両党の賛成票を期待している。自公両党にとっては「3党合意」は民主党の弱点を手中に握るに等しく、機会を選び民主党を追い詰めることができる。3党にとってこの合意は協力の「礎石」であると同時に、将来手の平を返すための「伏線」でもある。目下3党合意の維持には与野党共に大きな障害はない。
■アジアとウィンウィンの関係を希望
現地世論では野田氏について「ドジョウの政治」の内政よりも、外交への心配の方が大きい。野田氏は30日午前の記者会見で、2005年の靖国神社参拝に関する質問主意書について「歴史認識問題を故意に振りかざしたつもりはない。アジアとはウィンウィンの関係を築きたい」と強調した。読売新聞は同日の論説で「野田首相は民主党政権下で悪化した日米関係の改善にまず尽力する」と指摘した。靖国神社に合祀されているA級戦犯が「戦争犯罪人ではない」とする野田氏の発言について、韓国は反対を表明。野田氏が中韓両国と良好な関係を築けるかどうかが鍵を握る問題となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年8月31日 |