日本の政治には「基盤はしっかりしているが、首相が次々に交代する」という極めて珍しい特色がある。21世紀初頭の10数年間に、小渕恵三首相からこのほど新たに内閣総理大臣に就任した野田佳彦氏まで、日本の最高権力の座には9人が着いたことになる。「法制晩報」が伝えた。
首相の交代は日本の国内政治だが、その影響は国内レベルにとどまらない。外交面でいえば、最も影響と衝撃を受けるのは中日関係にほかならない。
日米同盟は第二次世界大戦後の日本の外交の基軸であり、これは今でも変わらない。このたびの新首相を決める民主党代表選で特に注目を集めた3人の候補、野田佳彦、前原誠司、海江田万里の3氏は、選挙活動の中で日米関係の基本については見解が一致し、同盟関係の発展を堅持するとの考えを表明した。
対中関係については各候補の発言や姿勢はそれぞれに異なっていた。比較的穏健な海江田氏、限定的な強硬派の前原氏。そして代表選に勝利した野田氏は掛け値なしの強硬派で、かねてより日本の内閣は靖国神社への参拝を続けるべきであり、A級戦犯は戦争犯罪人ではないとの考えを表明してきた。また野田氏は今回の代表選で、中国の勢力拡大を警戒すると発言した。
野田氏の眼前のあちらこちらに課題が山積みになっているが、野田氏に与えられた時間は多くない。一年度に行われる日本の総選挙では「国民の心をつかんだ者が天下を取る」のであり、支持率が最も重要なバロメーターになる。
日本で支持率を挙げるためにしばしば使われる不愉快な手は「対中強硬カード」だ。菅直人首相は就任早々にこのカードを切り、釣魚島(尖閣諸島)の漁船衝突事件で大騒ぎをやらかした。日本の首相が交代するたびに、中日間の雲行きは急変することがほとんどだ。
「小泉元首相の影」と呼ばれる野田氏がこのほど首相に就任したことで、今後は中国カードがただ切られるだけでなく、よりレベルアップして切られる可能性があることは容易に予測できる。
野田氏が、かつて小泉元首相が中日関係をほとんど「凍結」させてしまった「威風」を同じように放とうとするなら、それはあまり現実的ではない。日本は東日本大震災後の復興再建の途上にあり、野田氏が対中関係で何らかの強硬な手段を取れば、そのツケは日本自身に返ってくるからだ。野田氏が言うように、「中国の実力がますます高まっている」のであり、日本が中国に対して強硬な態度を取れば取るほど、支払う代償も大きくなるのだ。
度重なる攻撃にさらされて、中国も成熟した、受け身でない対応の道を備えるべきだ。一方では、中日両国の民間交流をより多く促進する活動を継続し、両国間の信頼の土台固めをし、中日関係の推進と成長に向けたより健全な土壌作りをすることだ。また一方では、十分な主体性を維持し、日本側の対中強硬手段に、とりわけ右翼の挑発にそれ相応の代償を支払わせるべきであり、こうした動きを助長するようなことは決してしてはならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年8月30日 |