日本は主要先進国の中で最も多く対外資産を保有するため、ほかの西側諸国とは異なる。日本国債の保有者の多くは国内の銀行や保険会社などで、これらの大手金融機関や個人投資家は全体の約99%を保有している。そのため、短期内にユーロ圏のような債務危機が勃発することはない。ムーディーズも、今後の財政運営が適切に行われれば市場の信認は維持されると見ており、今後18カ月の格付けの見通しを「安定的」とした。
ところが、ムーディーズが警告するように、日本の政局の動揺が思い切った改革の大きな妨げになっていることは事実だ。政党争いで、政治家は人気を維持するため、消費税引き上げなどの財政状況を改善する具体策を実行に移せずにいる。実行すれば支持率に影響が出るためだ。そのほか、高齢化によって社会保障への財政支出が増え続け、財政悪化は避けられない状態だ。日本の金取引会社、第一商品の責任者は、「国内投資家からの信認が低下し、国債が売られれば、日本国債の危機は本当に起こる」と話す。
財政再建も首相候補者の公約の焦点となっている。景気低迷、改革、震災復興という状況下で財政改革を行う日本社会が大きな困難にぶつかることは避けられないだろう。政策を決める十字路に立つ日本は難しい選択を迫られている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月25日 |