沖縄県を訪問する中国人個人観光客向けに、3カ月以内なら何度でも訪日できる数次ビザ(査証)の発給が7月から始まった。こうした中、県はさらに多くの中国人観光客を呼び込もうと、豊かな観光資源と世界レベルの日本の医療を結び付けた「医療観光」を新たな目玉として打ち出している。このプランに参加する中国人観光客は観光とともに、最新の医療サービスを受けることができる。日本の華字紙「日本新華僑報」(電子版)が報じた。
地元メディアの報道によると、医療サービスと観光資源を結びつけ、外国人観光客の集客に力を入れようと、沖縄県の企業、学校、政府、医療機関が共同で設立した、「万国医療津梁協議会」が8日、北京でセミナーを開き、同県の医療サービスをアピールした。今回のセミナーは同協議会が6月に発足して以来、初めての海外イベントとなり、主に「医療観光」のPRを行った。
セミナーでは中国ではあまり受診することのできない先端医療機器を紹介した。医療観光を企画するTripod(トリポッド、沖縄県豊見城市)の玉城清酬社長(医師)は「日本の医療水準は世界でもトップクラス。それに加え医療通訳も配置しているので、中国人観光客は安心して健康診断を受けることができる」とPR。
豊見城中央医院の城間寛副院長は「1ミリ単位でがん細胞を把握する陽電子放射断層撮影装置(PET)を使えば大腸がんの94%を察知できる」と強調した。
沖縄県は観光客の好みに応じて4泊5日、7泊8日などの旅行プランを立て、「医療観光」を推進していく方針。
近年、中国の富裕層の医療に対する要求は高まり続けており、多くの人は中国国内で高度な医療サービスを提供している私立病院(保険対象外)での診察を好む傾向がある。沖縄県が今回PRしている「医療観光」は価格の面で中国国内の私立病院とそれほど差はない。
日本政府は先月1日、中国富裕層向けに沖縄訪問を条件とした数次ビザの発給を正式に始めた。それを受け、中国の航空会社(本社海南省)「海南航空」は先月28日、北京-那覇線の定期便を開設。さらに航空会社数社が現在、沖縄行きの路線開設を予定している。
「万国医療津梁協議会」は9月にも訪中団を組み中国衛生部、国家観光局と協議する予定。(編集KN)
「人民網日本語版」2011年8月10日 |