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中国と日本  
日本の防衛白書が度々中国を標的にするのはなぜか

 

防衛白書の基調が、昨年以来米日が主導している中国周辺海域で「騒ぎを起こす」政策の延長線上にあることは明らかだ。その目的は中国の軍事的脅威を誇張することで、中国周辺地域に認識の混乱をもたらし、周辺の安全保障情勢を緊張させ、善隣友好という中国の「調和あるアジア戦略」を瓦解させることにほかならない。1997年のアジア通貨危機以降、中国はWTOに積極的に加盟するとともに、平和協力、互恵・ウィンウィンを趣旨とする地域協力プロセスに自発的に参与。10年余りの協力を経て東南アジア諸国連合(ASEAN)と自由貿易協定を発効させた。同時に上海協力機構を積極的に提唱、推進し、陸上の長い安全ラインを守ったのみならず、加盟国間の全面的な投資・人的・文化協力を促した。10年余りの地域協力体制の構築によって中国の周辺安全環境は豁然と開け、安定し、中国経済がより急速かつ良好に発展し、周辺地域に幅広く恩恵をもたらすための環境が築かれた。これはまた中国が地域における政治的感化力を勝ち取り、戦略的優位性を確立するうえで鍵となる条件でもある。

だが地域の主導権の奪取を目標とする日本にとって、中国による地域協力体制の構築が羨ましく、心中辛く、受け入れられない現実であることは疑うべくもない。1990年代に米欧が相次いで周辺国による経済圏を構築し、世界経済における2大システムを主導して以降、日本はアジアに回帰し、ASEANを頼みに独占的な海洋経済圏を構築することを、欧米と天下を三分する長期戦略としてきた。だが地域協力における中国という新しいパワーの突然の出現により、日本のASEAN独占は不可能になり、アジア独占戦略の達成も困難になった。このため中国脅威論を作り上げ、中国の影響力を切り崩すことが、中国を牽制し、地域の主導権を奪取するための戦略的任務となったのだ。

改革開放から30数年来、中国は経済成長を遂げ、貿易と投資の拡大を続けてきた。中国市場は次第に「世界の市場」へと成長しており、世界経済のメインエンジンだといえる。特に金融危機後は欧州連合(EU)、ASEAN、日本、米国、韓国、さらにオーストラリアがことごとく中国を主要輸出相手国とし、中国市場は名実ともにその経済成長を牽引する基盤となった。中国経済の安全は世界経済の安全に関わる。中国の積極的な国防建設は、世界経済の安全維持への貢献であり、世界に対する中国の責任の具体化ともいえる。だが日本は中国経済と中国市場の発展によるチャンスを積極的に利用する一方で、中国の脅威を誇張し続け、「政経分離」の道を歩み続けている。これは時代の発展の現実に適合しておらず、確実に歴史的チャンスを逃すことになる。(編集NA)

「人民網日本語版」2011年8月8日

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