日本第2の都市・横浜市は2年前、右翼団体の編纂した中学校歴史教科書を一部の区で採択した。今年はこれを市内全区に拡大しようとしており、4日に結果が出る。採択されれば少なくとも10万人の中学生がこの「戦争美化」の歴史教科書に触れることになるとして、多くの機関や個人が教育当局に強い反対の声を寄せている。北京晩報が伝えた。
■全区拡大を図る
横浜市教育委員会は4日、右翼団体「新しい歴史教科書をつくる会」の編纂した自由社の歴史教科書を来春から市内全区の中学校で使用するかどうかを採決する。
この歴史教科書は第二次世界大戦の太平洋戦域を「大東亜戦争」、「日本の自存自衛のための戦争」と称している。この教科書が文科省の教科書検定に合格した際、韓国などは強く抗議した。
横浜市教育委員会は2年前の8月4日、18区中8区で翌春からこの教科書を使用することを決定。対象となったのは71校、生徒3万9000人で、横浜市は日本で初めてこの教科書を採択した都市となった。市教育委員会はこの歴史教科書を来春から市内全ての中学校で使用しようと考えている。実行された場合、2012年から2016年まで計10万人の中学生がこの教科書で学ぶことになる。
■強い反対に遭う
横浜市教育委員会には4月以降、約200通の手紙や請願が寄せられている。その多くは右翼歴史教科書の採択に強く反対する内容だ。7月25日には市民団体「横浜教科書採択連絡会」が「憲法をないがしろにし、過去の戦争を肯定的に記述している」として2社の右翼歴史教科書の全区採択に反対する10万人分の署名を市に提出した。
この2社とは自由社と扶桑社傘下の育鵬社。「つくる会」の編纂した歴史教科書は当初扶桑社から発行されたが、後に著作権や編纂方針をめぐる争いから自由社に移った。日本メディアによると自由社版と育鵬社版は80%同じで、図表や写真が異なるだけだという。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年8月4日 |