その国の主流メディアが「中国けん制」を毎日報じれば、その国の軍隊は世論の求め従い、行動でもってその「けん制」の力を示すだろう。武力に訴えるまでには至っていないが、それも辞さない覚悟があることは明らかだ。
日本防衛省がこれまで日本のメディアに公開した、公海上で撮影した中国機の写真は主に中国の艦船が公海を航行している写真だ。近距離で撮影した写真から「けん制」の意図が伺える。
日本側のけん制の態度について、中国国防部は、「日本の艦船と航空機は長時間にわたって近距離で中国側の通常の行動を追跡・監視しており、双方の誤解や誤った判断を招きやすくしている」とけん制が度を越せば、海空において意外な事故が発生する可能性があるとている。
◇日本政府、「けん制」の態度を表明
メディアが中国けん制を突然騒ぎ出したことは、菅内閣の対中政策と深い関わりがある。
先月21日、日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)がワシントンで開かれた。政府筋からの情報で、軍事と外交面における中国に対する日本の態度は明らかだ。
防衛省は2プラス2の内容を発表。日本は地域の不確定性が増すとして、「北朝鮮、中国、ロシアの軍事力の増強」を懸念、「日米韓、日米豪などの三カ国協力」によってそれに対応し、航行の自由、宇宙・インターネットなどの方面で新たな協力を展開する考えを示した。日本のメディアは国の態度を中国けん制と解釈した。そう理解するのが一番わかりやすいからだ。
日本経済新聞は、「日米は6月に開いた外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス)で、そろって中国に対応していく路線も敷いた。日米同盟がしっかりしていれば、中国はアジアの海で強硬な行動に出づらくなる。同盟の矛先が自国に向かうのを避けるために、日中関係を改善しようという動機も働く。だからこそ日本は2プラス2の合意を具体化し、同盟の再建を急ぐべきだ」という内容の社説を5日、掲載した。
この社説が掲載されるや、防衛省が中国機の写真を持ち出すという非常に息の合った行動をみせた。
◇日米豪は合同訓練で中国をけん制
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