進む産業モデルの転換
中国から他の国への工場移転が進む一方で、中国における研究開発への投資を拡大し、中国に新たな研究開発センターを設立する外資系企業が増えてきている。中には、最も重要な研究開発センターを中国に移行する企業さえ出てきている。
例えば、粉末塗料メーカー大手のアクゾノーベルは、中国を同社のイノベーション戦略を達成する上での重要な拠点にすると発表している。同社は現在、上海に研究開発センターを設立しているが、今後2,3年で投資を拡大し、規模を現在の2倍にする計画を進めている。
「企業は生産拠点を中国以外の国にシフトしているが、これは中国が産業モデルをシフトする過程で避けられないことである。」宋頌興教授は、今後中国は産業シフトを順を追って着実に進め、モデルチェンジの過程を遅らせてハイテク競争に向けた準備をすべきだとし、さもなくば日本の失敗の前例を繰り返すことになると指摘した。宋頌興教授は「日本がここ20年間経済が低迷している大きな原因の一つとして、モデルチェンジのスピードが速すぎたことが挙げられる。ハイテクレベル、人件費の優位性がともに欠如した中途半端な状態に置かれてしまったのだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年7月3日 |