デジタル家電の価格が大きく下落して競争が激化していることを背景に、ソニーやNEC、東芝など日本の電子関連大企業が国外下請けの比率をますます高めていると日本メディアが伝えている。コストを削減して利益率を向上させるためだが、中国企業にとっては好機となると業界関係者は考えている。
・日本では下請けが経営負担を軽くする
日本のカラーテレビメーカ最大手であるソニーが、主に台湾のEMSメーカーを相手に液晶テレビの下請け発注を増やしているとする報道があった。2010年度に50%だったソニー液晶テレビの国外発注率は2011年度に75%に跳ね上がるという。先日ソニーは液晶テレビの販売目標を2700万台と発表しており、ここから推算すると、2011年にソニーが下請けに出す液晶テレビは2025万台に達することになる。
ソニー以外にも、NECが2012年度末(2013年3月末)までに携帯電話の国外下請け発注率を10%引き上げ、東芝もサムソン電気などへのSystemLSIの下請け発注を増加させることを計画している。
NECが6月2日に開いたパソナール・ソリューション事業(携帯電話やパソコンなどを含む)説明会では、コスト削減を達成するために、2011年度内に台湾でスマートフォンの開発拠点を設立し、台湾の下請け業者と提携して設計を含む製品の開発を行なうという計画を発表している。2012年には携帯電話の国外下請け率も2010年の水準から比べて40%増しにまで高めることも盛り込まれている。
専門家に言わせれば、日本の電子大企業が海外下請けの比率を高めるのはやむを得ない選択なのだそうだ。経営転換をはかる日本の電子大企業は軒並みやっかいな課題を抱えており、地震の影響を除いても、世界の経済情勢や為替相場、大規模投資による製造能力の向上、ソフトとハードの業務融合、ネット関連の開発など山積みである。それゆえに、彼ら大企業はこぞって海外下請けに活路を見出そうとしているのである。海外で安価な下請け業者を見つけ、原材料価格の変動などによるコスト面の負担を減らすことを彼らは目指している。
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