東日本大震災と福島原発事故以降、日本在住の中国人の多くが子女を帰国させた。「自分は日本で頑張っても、子供は安全な場所へ」とある日本在住者は話す。
一部の中国人は中国国内で状況を見てから、子供を中国国内の学校に入学させたが、すぐに問題が次々と発生した。
まず問題は子供らの中国語。日本で生まれ育った子供らは日常の中国語はなんとか聞いたり話したりできるが、授業となると語学力がついていけない。次に、授業の進み具合も中国の学校のほうが日本より速く、子供らは授業のないようについていくことができない。
授業についていけるよう家庭教師をつける親もいるが、子供たちにはプレッシャーになるばかり。日本では放課後は遊んでいたのに、今では学校でも気が張り、家に帰っても家庭教師から勉強を教わらなければならない。子供たちは日本へ帰りたいと言い出し、親たちは悩んでいる。
また、子供たちを中国の学校に通わせるのは、日本で働く両親にとってもつらいことだ。たびたび子供の様子を見に戻ったり、片方の親が子供に付き添い、夫婦が長期的な別居を強いられ、経済的にも大変だという声が聞かれる。
こうした問題を前に、在日中国人の親の意見は真っ二つにわかれる。日本は危険だから子供は帰国させるだという親は、問題は時間とともに解決し、子供たちは適応力があるため、すぐに環境に慣れる。将来的にも日本は自然災害が多いし、財政的な崩壊も懸念され、景気も悪化するだろう。子供たちに日本で教育を受けさせるよりも中国で勉強させたほうが、自分たちが年を取ってから子供たちを頼りにでき、行く場所があるという意見だ。一方、日本は環境がいいし、医療施設も整っている。震災の影響はいつかは過ぎる。子供たちを帰国させて、経済的にも大変だし、そんなに苦労させる必要はないという意見だ。こうした意見が家庭の中で二つに分かれ、両親がもめる「導火線」となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月16日 |