民主党内の首相という玉座をめぐる争奪は、「陰に陽にわたる角逐」と言うべきだろう。多くの市民は前原誠司前外相の出馬に期待を寄せてはいるが、民主党内では現職の財務相・野田佳彦氏を管直人氏の後継に推したいとしており、野田氏本人も代表選参加に意欲を示している。
首相後継者となる可能性のある野田氏について、日本新華僑報の編集長・蒋豊氏は多面的な角度から分析、日本の世論が言う「穏健派」ではなく、軍事面で強硬な人物である恐れがあると結論づけている。
自衛官の家庭出身 領土問題で強硬に対処
現職の財務相である野田氏は54歳。千葉県の自衛官の家庭に生まれた。父親は陸上自衛隊で最も精鋭とされる第一空挺団(落下傘部隊)に所属。小さいころから千葉県習志野市にある隊官舎で育った。1980年に早稲田大学卒業後、85年に第1期生として、有力な政治家を数多く輩出した松下政経塾を卒業。前原氏らの大先輩にあたる。わずか2年後、29歳の最年少で千葉県議会議員に当選、政界に足を踏み入れた。
蒋豊氏は「野田氏はその出身から、軍人の後代であり、そのことが野田氏の将来にあるいは深い影響を与えたことが見て取れる」と話す。さらに蒋氏によると、中国が日本に沖の鳥の岩礁は島とすべきでないと指摘した際、野田氏はこれについて中国に反発したことがあり、「実質的に南沙群島を支配している貴国にあれやこれや言う理由はない」と発言したという。中国の釣魚島保護を訴える民間人が同島に上陸したことについて、野田氏は国会が「釣魚島は日本の領土である」との決議をするよう要求。ここからも、野田氏の領土問題に対処する姿勢が非常に強硬であることが分かる。
靖国神社参拝を支持 軍事的思想は過激
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