日本の雇い主の答えは一つ。「忘れないでくれよ、仕事第一だからね。」5、60代の日本人は日本の高度経済成長の中、行き抜いてきた人たちだ。彼らの信条は「仕事第一、家庭第二」、真剣に「仕事に専心することが人としてあるべき姿」だと思っている。「家族が心配している」ことが仕事に影響を与えるなんて、彼らにとっては受け入れられないことなのだ。
このような文化の違いもある反面、日本人の仕事に対する態度も現代化、国際化、ひいてはアジア化が必要なのだろう。以前、日本の経営者に向けて書いた拙文で、「アジア人は重要な決定事項は必ず家族と相談する」と書いたことがある。
日本はアジアの国だが、独自の家族文化、企業文化を持っている。伝統を重んじ守ろうとすると同時に、話し合いや改善も必要だ。昔から日本はその視点を持っている。「日本人の常識は世界の非常識」というではないか。
また別の面から見れば、仕事に極端にまじめであることは、日本人の美徳と言えるだろう。3月11日、震災当日は金曜日だった。当時、全ての交通、物流はストップし、家族の消息もつかめない人もいた。だが、2日後の月曜、ほとんどの人が普段どおりに出勤した。これは風刺も含んでいるかもしれないが、やはり日本人の仕事に対する態度を説明するに足る「小噺」であることは確かだ。
中国人に反感を持つ日本人は、帰国するのはわかるが、少なくとも行く前に仕事の引継ぎや家主と連絡をとるべきだという。ある大学の中国人教授は許可なく帰国し、今まで何の音沙汰もなく、学校を悩ませているという。
「人に迷惑をかけない」という日本の企業文化の精髄は中国人も深く考える価値があるものではないだろうか。(文=姫田小夏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年6月7日
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