三洋は中国の家電市場に初めて進出した外資系ブランドであり、その製品はかつて一世を風靡した。1980年代には三洋のテレビをもつことが晴れがましいことだった。だが2010年になると、三洋のテレビ部門が国美、蘇寧、永楽、五星といった家電チェーンから相次いで撤退するとのニュースがたびたび報じられ、三洋は海外ブランドの中国家電小売大手からの撤退の先鞭を付けることになってしまった。
だが三洋の中国エリアテレビ部門は、全国の家電小売大手からの撤退は一時的なものであり、中国テレビ市場から撤退するわけではなく、単なる戦略的な調整にすぎないとの声明を発表。またテレビ販売を含む市場戦略や製品のラインナップを調整中であり、今後は二級・三級市場を企業の新たな成長点にしたいとの考えを明らかにした。
2010年1-5月の統計データによると、三洋の液晶テレビの販売台数は平面テレビのブランドランキングで19位、5月の市場シェアはわずか0.19%で、シャープ、ソニー、サムスンといった外資系平面テレビの主流メーカーに大きく後れを取っている。今年に入り売上が低迷している国産ブランドに比べても、三洋のテレビは負けを認めざるを得ない。
三洋がこのほど国美と独占的な協力関係を結んだことは、中国市場で新たなパイの争奪戦が始まったことを示すシグナルだといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年4月20日 |