(1)日本経済の復興に存在する多くの困難
日本はまだ復興予算を公表していないが、現在の日本の財政状況から見ると、日本政府が財政支援策を発動するのは難しい。なぜなら、日本の国民と企業には日本国債を大量購入し続ける力が無く、日本銀行も「国債現金化」政策を大々的に行う力がないからだ。このため、日本円の信用危機がもたらされる可能性がある。
(2)国際的な分業体制が大きく変化する可能性
分業体制の変化は、日本企業と世界の産業界が日本の安全性に疑問を抱くために起こる。これにより、2つの結果がもたらされる可能性がある。1つは、海外企業が中間製品の調達先を日本本土に集中せず、各地に分散させることだ。しかし、日本の製品は短期的には代替が利かないため、このプロセスには時間がかかると見られる。もう1つは、日本企業がコア部門を海外に移転し、長期的に続いてきた「雁行(がんこう)型」発展モデルを放棄することだ。コア技術と工場がアジア又はその他の地域に移転することで、日本経済の空洞化は免れないが、生存を維持するという角度から見ると、この可能性も否定できない。
(3)日本政府の外交と国際的な経済戦略が変化する可能性
震災後、日本が周辺国家との関係を改善できるかどうかにはまだ未知数だ。しかし日本にとって、災害が発生する確率は戦争の可能性よりも高い。このため、日本政府は日本経済及び国民が生存する空間を得るために、外交政策を見直し、アジア諸国との良好な関係を保ち、地域経済一体化を能動的に推進していく可能性がある。
|