しかし、福島第一原発の2号機と3号機は原子炉内の圧力が高すぎて窒素が注入できない。救援隊員は現在、低濃度の放射性物質を含む冷却水数万トンの排出作業を続けている。福島第一原発に核燃料を提供している仏アレヴァ社は、原子炉の炉心が損傷した状況で冷却水の中から放射性物質を取り出すのは無謀だと指摘。地震による津波で福島第一原発の冷却装置はすべて破損し、4つの原子炉中の燃料棒の温度が急上昇。海水注入という原始的かつ設備損傷が著しい方法で温度を下げるしかなかった。しかも注水しながら排水するという作業形式を取ったため、放射性物質が基準値を超える、保管できない大量の廃水を出してしまった。
福島第一原発の危険を解除するにはまず、原子炉本体の冷却装置を復旧する必要がある。ただ、原発内のいたるところに大量の放射能汚染水があり、冷却装置の復旧がなかなか進まない。冷却装置が復旧したとしても、パイプ内は注入した海水の塩分で冷却効果は著しく落ちるとみられる。
太平洋に放出された放射能汚染水が海洋生物に深刻な影響をもたらすという意見に多くの国が危惧を示している。西側の専門家の多くは、日本の「自主的な汚染水の放出」というやり方は(船からの放出ではないことから)国際条約の抜け穴をくぐっていると指摘すると同時に、広い海が原発から放出された汚染水を害がないレベルにまで薄めてくれるとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月7日 |