ハルビン市は近く、中国侵略日本軍第731部隊旧跡の保存を目的とした条例を制定・発表するという。同部隊旧跡建物を破壊、改築、増築、撤去することを断じて禁止し、深刻な結果をもたらした場合は、最高50万元の罰金を科する。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
ハルビン市政府常務会議は、関連条例草案をこのほど審議・通過、市人民代表大会常務委員会の審議に提出する予定。同草案によると、「ハルビン中国侵略日本軍第731部隊罪証遺跡」という現在の名称は、「ハルビン中国侵略日本軍の第731部隊旧跡」に変更される。
新計画によると、中国侵略日本軍第731部隊保護エリアを平房区から南崗区まで拡大する。草案には、旧跡は国家の所有物である旨が明記されており、現在占有されている旧跡建物は、法律・法規・規則および関連計画規定にもとづき、徐々に回収される。今後、団体・個人に関わらず、中国侵略日本軍第731部隊旧跡文化財を発見した者は、旧跡保護管理機関に届け出なければならず、自己処理や自己所有は許されない。
条例(草案)によると、旧跡建物や陳列品を汚したり、落書きしたり、破損した場合、 悪質なケースについては2千元以上5千元以下の罰金を科す。また、旧跡建物を破壊、改築、増築、撤去し、深刻な結果をもたらした場合は、最高50万元の罰金を科す。旧跡保護区内撮影禁止エリアで撮影した、あるいは撮影禁止の文化財を撮影した場合、改善命令および罰金200元以下を課す。
人類史上最大規模の細菌戦部隊である中国侵略日本軍第731部隊は、ハルビン市平房区に細菌兵器の研究・試験・生産基地を設立した。同部隊は日本軍による東南アジア細菌戦の指揮中枢部となり、その核心は、人体実験と細菌戦だった。かつて「人間を喰う魔窟」 と呼ばれていた731部隊基地では、生きている人間を実験材料とした残酷な細菌兵器の研究が行われた。約1万人以上の中国人・ソ連人・朝鮮人捕虜と健康な中国人が実験の犠牲となり、惨死した。
「人民網日本語版」2011年2月22日 |