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中国と日本  
中日のレアアース争いを解読

中国――過度の採掘回避は「やむを得ない」

日本の「レアアース輸出政策を緩和してほしい」との再三の要求に対し、中国側は承諾することはせず、輸出規制は「過度の開発を回避し、持続可能な発展を実現する」ためだと説明している。

レアアースの過度の開発は中国が近年来、解決に努力している問題であり、過度の開発に対処するため、備蓄の実施や業界計画の策定、私的採掘や乱掘の取り締まりなど一連の改革を進めており、輸出規制もその一環である。

レアアースは軍事を含む様々なハイテク分野に汎用されているため、各国は「国の安全にかかわる戦略的金属」とみなし、それぞれ相応する保護措置を講じている。張教授によると、長年にわたり中国からレアアースを輸入している米国は、その埋蔵量で世界二位にあるが、戦略的資源の備蓄として、99年から自国資源の開発を停止している。

だが、中国では、レアアースは一貫して外貨との交換するためのただの一般商品としてみなされてきた。さらに、「資源埋蔵量第一、生産量第一、販売量第一」の中国には、なんとレアアース価格の決定権はない。採掘や抽出技術の低さ、工程の単純さ、無秩序な掘削と精錬が著しく過剰な生産を招いた。

総体的な供給過多が直接、レアアースの市場価格に影響を与えた。08年の関係資料によれば、純度99.9%の酸化セリウムは1キロ18元、過去最高は30元だった。こうしたことから、レアアースは世界の平和と国の安全にかかわる戦略的金属でありながら、輸出価格はなんと豚肉にも及ばない、と批評されている。専門家は「中国のレアアースの世界に占める採掘可能な量は十数年前の80%から、現在では52%まで低下している。現行の生産経営モデルが続けば、恐らく数十年後には、中国は『レアアース小国』に変わってしまうだろう」と指摘。

レアアースの戦略的重要性と資源の有限性を意識して、中国は輸出制限を含む一連の改革措置を打ち出したが、輸出は禁止してはいない。陳部長が説明するように、「レアアースは自然資源に乏しく、生態環境が非常に厳しい土地に極めて少量しか存在していないため、大量に抽出することは、生態環境をかなり破壊するため、レアアースの採掘と生産、取引を条件的に制限している。こうしたやり方はWTOのルールに合致する」。さらに「中国はこうした制限が日本の企業や関連産業に及ぼす影響を理解してはいるが、やむを得ないことだ」と強調。

日本の大畠経済産業相は先ごろ、レアアースの輸入を過度に中国に依存している現状から脱却するため、代替材料の開発計画を繰り上げて実施すると同時に、より多くの国でレアアースを開発し、多ルートによる供給を確保するとの考えを表明した。前原外相は「輸入を完全に一国にゆだねるのは、資源の安全擁護にマイナスであり、多角的な資源外交を通してリスクを減らすべきだ」と指摘。さらに、アジアと非アジアにおけるレアアース生産国と協力し、二国間関係を強化していく考えを強調した。このことから、中日のレアアースをめぐる争いは今後も続くのではないかと予想される。

「北京週報日本語版」2010年10月21日

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