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中国と日本  
日本の政権交代を超える中日関係

 

                    庚欣(日本JCC新日本研究所副所長)

  

先ごろ、日本のメディアが行った世論調査で、8月の総選挙で民主党は300議席を獲得する可能性があるが、自民党はわずか150議席程度しか獲得できないかもしれないことがわかった。政権交代はほぼ確かな情勢で、すでに民主党政権の誕生が現実化してきている。しかし、人々は今後の方向性をまだ確実には掌握していないように見える。積極的な楽観論にせよ、冷ややかな悲観論にせよ、二つの現実を踏まえる必要がある。一つは日本の政党政治であり、いま一つは中日関係における基本的な位置づけである。

中日関係はますます日本の各政党の利益や政策レベルの問題を超えて、双方の重大な「国益」をめぐる構造的な位置づけとなっている。戦略的互恵関係は今や中日関係ないし国際関係の大きな枠組みにおける必然的な定めとなりつつある。このため、中日間の国家関係は党派の利益を超えた安定性を持っており、党派間の争いが中日関係を促す良性の競争となることもある。中米間にもすでにこのような傾向が見られている。これは世界における中国の戦略的地位が新たな段階に押し上げられたことを示している。世界中の国々、特に各大国は、対中政策を重要な国益政策として戦略的に位置づけていくだろう。これは各国の対米関係の位置づけと少し似ている。同時に、これは中日関係が日ましに成熟へと向かう新たな段階に入ったことを示している。上述のような多国間関係のたゆまぬ安定化を背景に、中日間の民間の感情にはなおいくらかの矛盾が存在してはいるものの、国家関係の位置づけについては、双方にはすでに成熟した判断が醸成されている。これによって、中日の政治関係は特殊な「免疫力」を具えるようになった。十数年来、中日関係はずっと揺れ動いており、小泉政権の時期には、さらに深い谷底に落ちた。しかし、今日に至って、中日関係は疫病発生後の免疫期間に突入したようなもので、靖国神社問題、領土問題及び「中国脅威論」などは依然として存在してはいるが、いずれも中日の政治関係の正常な発展を妨げることはできない。

現在、中日の間には多重的なバリューチェーン(価値連鎖)が築かれている。一つは政府のハイレベルな政治に対する共通認識やさまざまな経済貿易協力及び地域の平和と発展などを含む最高度の国益というチェーンである。二つ目は、政党間の交流や独自ルート、人脈などを含む各政党に特有の対中政策である。三つ目は、地方、個人、企業などの各種の協力関係を含む民間のチェーンである。この三つのバリューチェーンがない交ぜになって築き上げた強大で安定した基盤があるため、政権交代によって中日関係に大きな変化が生じることはないだろう。

今後、中日関係に積極的又は消極的な重大な変動が生じるとしたら、それは日本の政権交代によるものではなく、現実の国際関係や中日の国家関係の枠組みそのものに生じた変化に起因するものであろう。このような変化は艱苦に耐える着実な努力に由来するもので、政局が揺れ動くような劇的なものではない。この点をはっきりと認識すれば、頭脳を冷静に保ち、何らかの変化が生じたことで実状に合わない推量を行うようなことにはならないだろう。(この一文は日本の総選挙実施前に書かれたもの)

「北京週報日本語版」2009年8月31日

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