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中国と日本  
残留孤児の友、友好交流の架け橋

 

だが、世も捨てたものではなく、嵐のような「文革」も終わり、文学界にやっと明かりが差し始め、于強さんの人生にも希望がもたらされた。1974年、中国共産党の馬鞍山市委員会秘書に抜擢された彼は、かつて記者を経験していた秘書長から才能を見込まれ、余暇を利用して文章を書くよう励まされる。朝から晩まで励んだ彼は、数百篇にのぼる短文を次々と発表する。1983年、于強さんは馬鞍市外事弁公室の主任兼旅游局局長に就任。職務柄、国内外のさまざまな人々と接し、たびたび海外へ視察に行くようになった彼は、豊かに彩られた広い世界を肌で知り、大量の創作の素材を目の前に、水を得た魚のように作家となる夢を再び抱くようになる。とはいえ、どのような題材から手をつけたらいいものか、決めかねていたとき、ある人物の出現が、中日を題材とした小説の道へと彼を踏み出させた。その人物こそ、彼の処女作『風媒花』の主人公のモデルとなった古蓮雲さんだった。1984年のある日、日本の残留孤児であった古蓮雲さんが于強さんを尋ねてきた。涙に声をつまらせながら彼女は自分の悲惨な境遇を于強さんに訴えた。日本の敗戦時、4歳だった彼女は大連で両親に捨てられ、善良な中国人の養母に育てられた。解放後、政治運動が起こるたびに日本人であるために一家離散の憂き目に遭い、苦い思いをしてきた彼女は、彼女の一家が落ち着いて暮らせる政策措置を、と政府に陳情に来たのだった。胸いっぱいの正義感と同情の想いを抱いた于強さんは、ただちに上に報告し、古さん一家が黒竜江省の農村から市内に戻って就業できるように手配した。大みそかの日、于強さんは吹く風も降る雪もものともせずに、貧しい古さんの家に正月用の品を届けに行き、彼女たちの住居の問題も解決してあげた。古蓮雲さんは感涙にむせび、苦しいときに助けてくれた于強さんを親戚のように思い、彼に対して心の内の苦しみを洗いざらい吐き出した。古蓮雲さんの苦難に満ちた人生は于強さんの心を揺さぶり、このことを題材に小説を書こうという思いが急に浮かんできた。その後の2年間、彼は涙をたたえつつ余暇を利用して机に向かい、一気に筆を運び、ついに20万字の処女作『風媒花』を書き上げた。この小説は、日本の著名な作家である伊藤桂一氏など、友人たちの温かい協力を得て、1987年、日本の光人社から出版された。当時はちょうど残留孤児の肉親探しが盛り上がったときで、肉親探しの孤児の一群とともに、『風媒花』は日本列島にくまなく知られるようになった。日本の主なメディアがこれを詳しく報道したため、国会議員や文壇の巨匠、市長、教授、僧侶、市民などから次々と于強さん宛てに読後感を書いた手紙が寄せられ、高い評価が与えられた。しかし、「好事魔多し」で、“塀の中で花開き、塀の外に香りが漂い出た”『風媒花』は日本では評価を得たが、中国国内では非難を浴びたのである。ある左翼的傾向の強い市の指導者が、于強さんの小説が国外で出版されたことに対してみだりに非難し、政治的な問題があると疑い、そのことをコメントし、審議にかけるなどして大騒ぎになったのだ。芯の強い性格の于強さんは筋を通して一歩も引かず、「私は戦争の被害者のためにその無実の罪を晴らし、中日友好という名の建物にレンガを添え、瓦を葺いている。そのことの何が間違っているというのか!?」と言い、その指導者は事実を前に最終的には口をつぐんだ。圧力を畏れない于強さんは文化界の人々から深く敬われ、日本語版の『風媒花』は馬鞍市の1987年度の文芸創作賞を受賞した。こうした荒波を経験した于強さんは密かに「命ある限り、戦争孤児のために声をあげ、中日文化交流のために筆を止めない」と誓う。1989年、中国語版の『風媒花』が中国で出版され、各界の反響を呼び起こし、数十に及ぶ新聞、雑誌が同書の紹介記事や書評を掲載し、安徽人民放送局は長時間の番組をネットワークで組んだ。『風媒花』の順調な出足で于強さんは中国作家協会会員として認められ、ついに文学の道を歩むという夢を叶えた。のちに彼は、自らを向上させようとすれば、時に波風を恐れずに果敢に前進することもある、と述懐している。

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