日本海上自衛隊の招請で、中国海軍の「深圳」号ミサイル駆逐艦がこのほど出航し、11月28日に日本に寄港し、友好訪問をおこなうことになっている。これは、中日国交回復35周年を記念するための重要なイベントであり、新中国で初めての海軍軍艦の日本訪問でもある。
昨年らい、中日両国のトップは成功裏に相互訪問を実施し、両国の政治的関係は改善しつつある。これを背景として、「深圳」号の日本訪問は両国の国交回復いらいの軍事往来の空白を埋めるものとなっている。国際関係の経験から見れば、両国間の軍事交流は両国の政治関係を示すバロメーターであるので、中日の軍事交流のグレードアップは両国の政治的関係の改善のシンボルでもある。
21世紀いらい、中日関係の発展は波乱含みの道をたどってきた。経済や文化などの分野での交流と協力がさらに緊密化するにもかかわらず、政治関係の影響によって、両国の軍事交流は明らかに遅れている。「深圳」号の訪日まで、両国の軍艦の相互訪問はなかった。今年、中国の国防部長が9年ぶりに日本を訪れた。周知のように、中国と日本はアジアにおける最も重要な大国である。国際軍事交流が日々に活発化している現在、両国の軍事交流は少なすぎると見られている。中国の軍艦の初めての訪日は両国の軍艦交流のために幕開きとなったばかりか、両国の人々に思考と連想の機会をもたらすものであり、これは軍艦交流の意義を上回るほど重要なことであろう。
中日国交回復35周年いらいの歴史は次のことを何度も裏付けている。つまり、両国関係の平穏な発展を保つため、最も重要なのは戦略的な相互信頼を強化することである。それは両国の軍事関係を左右する決定的な要素である。特に中日両国にとってはそう言える。中日は軍事交流を強化し、両国関係の全面的な改善に新たな活力を注ぎ込むため、戦略的な相互信頼の基盤を拡大しなければならない。それを実現するため、以下の三つの問題を重視すべきである。
一、 率直かつ誠意を持って歴史を直視すること。35年らいの両国関係を振り返れば、歴史問題がもたらしたマイナスの影響は他の要素よりずっと深刻なものである。そのため、戦略的な互恵関係を構築し、戦略的な相互信頼を強化する前に、率直で誠意を持って歴史問題を直視する勇気を示さなければならない。
二、 現実を誠意をもって見ること。さまざまな理由で、両国はいくつかの問題のメリットをめぐって矛盾がある。島嶼や海洋辺境での紛争もあるし、他の問題においても食い違いがある。現実の国際関係から見れば、これらの紛争は正常なものである。中日両国は、着実な態度で誠意のある話し合いによって、適切な方法をさぐりあてるべきである。
三、 将来に目を向けること。中日両国が戦略的な互恵関係を構築するという目標はすでに疑う余地はない。両国は将来に着眼し、障害を乗り越え、両国関係の平穏な発展のために条件を作りだすことに力を入れるべきである。
「深圳」号の訪日は重要な意義をもつものであり、その影響も深遠なものである。その後には、日本海上自衛隊の「自衛艦」が中国を訪問することになっている。さらに期待されているのは、両国のトップが近く相互訪問を行うことである。これは両国の軍事交流や両国関係の発展を大いに促し、アジア・太平洋地域及び世界の平和と安定にも積極的に寄与することになるだろう。
(作者は中国国防大学戦略研究所副所長、王宝付研究員)
「チャイナネット」2007年11月28日 |