「環球時報」がこのほど、中国で起きた社会騒動に対する西側の態度について文章を発表した。内容は次の通り。
「専制体制」「権力制度による鎮圧」「暴動は中国の体制に対する抵抗」・・・・・・西側メディアの昨年の「3.14」事件(チベット暴動)と今年の「7.5」事件(ウイグル暴動)に対する報道を比較してみると、いずれも中国政府の体制をとことん攻撃している点で類似していることに気づく。ここにも彼らの中国に対する偏見の根源がどこにあるかが露呈している。
多くの場合、中国で社会的な騒動が起きると、西側メディアの報道はまず「中国の体制を追及する罪状」という反応を示す。西側の評論家らは表向きには中国社会の複雑さを認めながらも、内心では固定観点から逃れられていない。数十年経った今でも中国の体制を攻撃する「決り文句」を投げている。
世界のいかなる政治体制でも国内でよくない事件は起きないとは保証できない。西側諸国を含む多民族国家ではいずれも民族問題が起き、騒動も少なからず見られる。
米国では40年近くにわたり根深い人種差別から数十回にわたって相次ぎ騒動が起きた。時には100都市をも巻き込み、時には死傷者が数千人を数えた。統計によると、70年代初頭から90年代初頭にかけて、米国では平均5.2年に一度、連邦軍が騒動の制圧に出動している。
騒動といえば、フランスはもっと日常茶飯事だ。多くのフランス人がかつて「春は仕事、夏はストライキ、秋には南にリゾート地に行き、冬はクリスマスの準備で忙しい」と自嘲していた。われわれがこういった問題を西側の政治体制だとして簡単に片付ければ、西側は納得しないだろう。
多民族国家で起きる民族地区の騒動の原因は多種多様だ。具体的な問題は具体的に分析し、具体的に対応する必要がある。今現在世界に騒動が全く起きない国はない。最も発達した西側諸国でさえもよくこのことで頭を抱えている。
中国は民族が多彩で、社会の転換期にある上、不均衡に発展している。こういった複雑な国情であれば、どんな政府でも安定させるのは難しい。西側がすぐに中国で発生したことと体制を結び付けるのは、幼稚だからではなく、政治的な偏見から発していることがほとんどだ。その根源をたどれば、この100年間で形成された中国の政治体制やイデオロギーに対する西側の優越感がわざわいしている。
世界に完璧な政治体制なんてない。問題はその政治体制が国全体を進歩させることができるかにある。中国の人民は100年以上無数の挫折と苦難を味わい、ようやく今の道を歩み始めた。現在の中国の政治体制は歴史が選択したものであり、中国社会の発展を推し進め、発展に付き添う必然の産物だ。中国に今日の地位をもたらしたのはこの体制だ。中国の少数民族地区における政治、経済、文化など数々の発展は、周辺諸国から遍く羨望を受けている。
西側メディアにとって、いかに中国を認識し、中国を報道するかが、彼らが目を向けなければならない課題だ。偽りの中国のイメージを永遠に操ることはできない。中国の前進の足並みは高鳴っている。中国の政治を真っ暗だというような輩はすぐにその偽りを見破られ、西側の民衆から置き去りにされるだろう。
「人民網日本語版」2009年7月30日
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