中国国内の宅配便産業は海外進出を固く決意している。申通快逓によると、日本専用ラインが今月17日に稼働し、国際市場においてまた一つ陣地が加わることになるという。海外通販が急速に発展するのに合わせて、国内宅配便企業は海外での布陣を加速させており、国際市場は激しい戦いの場になっている。「北京商報」が伝えた。
申通の日本専用ラインでは、沖縄に国際中継センターを設立すると同時に、東京や大阪などの主要都市で輸出入サービスをうち出し、日本全域をカバーする物流ネットワークを構築する。サービスがスタートすれば、中日両国の消費者は申通を通じて、海外通販で購入した商品を受け取ったり、消費者同士で荷物を送り合ったりすることができるようになる。申通のこのたびの新事業の主要協力パートナーは、日本郵政、佐川急便、商船三井(MOL)、西濃物流の4社。申通関連部門の責任者は、「日本郵政の全国規模の処理能力、MOLの成田空港における通関能力、日本の有名物流企業である佐川急便と西濃物流の大小貨物の高効率処理能力が、今回の協力で最大限に発揮されることになる」と話す。
申通の日本での布陣は「意味深長」だ。地理的にみて、沖縄は大陸部、台湾地区、日本の東京、韓国の中心地点に位置し、いずれの場所からも飛行機で2時間足らずの距離にある。那覇空港には24時間利用可能な貨物専用路線が備わり、通関作業も24時間対応可能だ。早朝に沖縄に到着した貨物は、2時間以内に通関手続きを完了させることができる。また沖縄から台北、バンコク、上海、ソウル、香港へは毎日定期便が運行しており、その大部分が貨物便で、深夜便もある。
海外通販の発展を受けて、宅配便産業の海外進出の未来図が描き出されつつある。宅配便産業では海外通販という追い風に乗って海外進出し、利益を上げようとするのが大きな流れだ。申通の陳徳軍董事長(会長)は以前、「今年は申通の国際化戦略が確定し発展する元年になる」と述べている。統計データによると、中国の海外代理購入の取引規模は年々倍増しており、18年には700億元(1元は約19.2円)を突破する可能性がある。アジア・太平洋地域だけでも、20年の通販売上高は1兆ドル(1ドルは約118円)を超えるとみられる。今年は順豊、申通、韻達各社が相次いで米国進出を果たし、オンライン中継業務をうち出した。次に各社が照準を合わせたのは欧州だ。順豊はリトアニア郵政、オランダ郵政と相次いで協力関係を結び、「欧州小包」サービスをうち出した。申通はロシアのポニー・エクスプレス、オランダ郵政と協力して欧州市場に進出した。韻達もこのほど、欧州宅配部流サービスセンターをドイツに設立することを明らかにした。業界を見渡すと、海外通販のB2C(企業・消費者間)業務の発展に伴い、国内の宅配便産業の国際市場進出が既定路線となっている。前出の申通の責任者は、「申通は韓国、オーストラリア、英国など各地でも2015年に業務運営をスタートさせる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年12月11日
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