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2014年の国際情勢を振り返る

陳須隆 蘇暁暉 

2014年の国際情勢を見渡すと、平和、発展、協力、ウインウインという時代の流れを依然強く感じられ、新興市場国と発展途上国の全般的な実力が引き続き強まり、世界のパワーバランスが世界平和維持に有利な方向へと向かった。それと同時に、安全保障に対する従来型の脅威と非従来型の脅威が交錯し、実空間と仮想空間がせめぎ合い、大国間の駆け引きが激しくなり、世界がさらに不安定さを増した。具体的に言えば、2014年の国際情勢には4つの特徴がある。  

一、世界の発展構造に構造的、趨勢的新変化が生じた 

世界景気回復の勢いは脆弱であり 、成長は「平凡」なものだった。国際通貨基金(IMF)の推定によると、2014年の世界経済成長率は3.3%で、前年とほぼ同じになる見込みだ。世界貿易の成長率は3.1%で、前年をやや上回ると見られる。いずれも世界金融危機発生前のレベルを下回る。  

先進経済体と発展途上経済体がともに成長する構造が固定化した。先進経済体の年間成長率は1.8%、新興市場と発展途上の経済体の成長率は4.4%で、そのうち米国は2.2%、中国は7.4%と、世界経済における中米のエンジンとしての役割が目立った。  

世界の発展には次の5つの傾向が見られた。(1)分化が進んだ。成長率が高い経済体もあれば低い経済体もあり、引き締め政策をとる経済体もあれば緩和政策をとる経済体もあった。成長率では、先進経済体のうち米国は高かったが日本と欧州連合(EU) は低く、日本とEUの成長率はそれぞれわずか0.9%と0.8%だった。米国は金融を引き締め、日本とEUは量的緩和政策を継続した。BRICSのうち、中国とインドは中高速度で成長し、ブラジルとロシアは景気が停滞し、通貨が下落し、資金が流出した。インドの成長率は5.6%に達したが、ブラジルとロシアはわずか0.3%と0.5%だった。  

(2)発展途上国全体の成長減速が「新常態(ニューノーマル)」になった。2014年は前年を0.3%下回り、3年連続して5%以下だった。IMFの推定によると、2015~2018年の成長率は5%となり、2003~2007年の7%を下回ると見られる。  

(3)「南高北低(発展途上経済体は成長率が高く、先進経済体は低成長)」の幅が縮小した。発展途上経済体の成長が減速し、先進経済体の景気が回復した。そのうち米国は今後数年の成長率が約3%に達する見込みである。指摘すべきことは、発展途上経済体は西側からもう成長が止まると見なされたが、その成長率はなお先進経済体より高く、世界経済成長を牽引する重要なエンジンであり、「南高北低」の趨勢は変わっていない。  

(4)改革、調整、成長モデル転換、イノベーション、融合が世界の流れになった。先進経済体と発展途上経済体はいずれも「構造改革」を必要としている。「再産業化」を推進するため、米国は年末までに製造イノベーションセンター8カ所を設立する。各経済体は革新駆動型発展と革新的国際協力を重視した。環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP)、「東アジア地域包括的経済連携 (RCEP)などの交渉はいずれも実質的進展を遂げ、BRICS協力、APEC、G20などが重要な成果を上げた。またインフラ投資、相互連結性が重視された。  

(5)非ドル化の趨勢が顕著になり、国際金融秩序の再構築を推進した。同時に、米国の金融覇権の地位を守るため、2014年、米議会はIMFが2010年に合意した拠出金額と改革案を予算案に組み入れることを再度拒否した 。国際金融秩序再構築の任は重く道は遠い。その最大の障害が米国であるのは明らかである。

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