趙啓正氏
中国人民大学ジャーナリズム学院院長、元国務院新聞弁公室主任の趙啓正氏は28日、北京-東京フォーラムで基調講演を行い、「中日関係改善の希望は国民間の友好にある。中日の民間は意思疎通を継続し、両国関係の改善のために積極的な貢献を果たしてきた」と指摘した。
趙氏は、「中日関係の悪化は、我々両国の利益を大きく損なっただけでなく、国際的にはより多くのマイナス影響をもたらした。両国にいかなる歴史的な恩讐があろうと、我々は現実的な利益を重視し、大局を重視するべきであり、意見の相違や対立、摩擦を正しく認識し、適切に対処するべきだ。目の前の係争のために未来を犠牲にしてはならず、一部の問題のために全局面に影響を及ぼすべきではない。長期的な友好と互恵・協力が必要だ」と述べた。
「中日両国は国交正常化以来、中日共同声明、中日平和友好条約など4つの政治文書を締結した。これらは、両国の長期的交流・歴史的経験の総括であり、国際法の原則を反映したもので、中日関係発展の原則と言える」とした。
「このほか、中日関係には無視できない背景がある。それは、米国の役割だ。米日は同盟国だ。一方、米中関係は、最大の先進国と最大の発展途上国という関係であるため、中国と米国の双方から重視されている。中国の習近平主席と米国のオバマ大統領は、『非衝突・非対立、相互尊重、協力・ウィンウィン』の新型の大国関係という共通認識に達している。中米両国がこれらを実現できるのであれば、中日間にも新型の大国関係が存在するのではないか。我々も対抗から対話に転じ、信頼を増やし、協力を拡大するべきだ」と述べた。
「国と国との関係の要は、国民同士の友好にある。中日友好は、突き詰めて考えれば両国の国民間の友好だ。中日関係が悪化する中、中日の民間は意思疎通を継続し、両国関係の改善のために積極的な貢献を果たしてきた。中日の民間交流は厳寒の中を流れる暖流であり、春の訪れへの希望を感じさせてくれる」と強調した。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年9月29日
|