「国連気候変動枠組条約」第20回締約国会議、「京都議定書」第10回締約国会議が、現地時間12月1日にペルーの首都・リマで開幕した。各国は12日の会期中に、「協定の要素の細分化」、「情報の明確化」、「行動・実施の強化」という3つの中心的な議題を巡り議論する。気候変動の駆け引きは重要な段階を迎えており、2015年国連気候変動パリ会議で新たな世界気候変動協定が締結されるか否かに重要な影響を及ぼす。
・各国が取り組みを強化
リマ会議には、2015年末のパリ会議までに協定の草案を作成し、パリ会議で2020年以降の気候協定を締結するよう促す役割がある。もう一つの重要な役割は、各締約国の重要な共通認識を形成し、「グリーン気候基金」を創設することだ。
気候変動の対応は人類の生産・生活方式の変更、未来のエネルギーシステムの再構築、世界の政治・経済構造の変化に関わる、人類の前途と運命を左右する重大な問題だ。しかし国連のこれまでの交渉では多くの協定が結ばれたが、実行に移されることが少なかった。各国は実質的な問題で、合意に至っていない。
・大きな食い違い、重要な問題で進展なし
しかしながら、各国は新たな協定の基本的な要素をいかに細分化するかといった問題で、実質的な進展を実現していない。先進国と開発途上国の間に深刻な食い違いが存在するほか、先進国の間の食い違いも目立っている。ドイツの世界気候変動交渉の研究者は、「米国の排出削減目標は、実際にはさらに引き上げが可能だ。2009年のコペンハーゲン会議で、米国は2025年までに30%削減すると約束した。現在の26−28%という目標は、大きな後退だ」と指摘した。
・着実な歩み、中国の努力は周知の事実
今回のリマ会議について、中国代表団副団長、首席交渉代表の蘇偉氏は、「中国政府はリマ会議が、2020年までに各国で行動を強化するというこれまでの共通認識を、積極的に実行に移すことに期待している。先進国は2020年までの削減目標を大幅に引き上げ、資金、技術支援、能力建設などで開発途上国に支援を提供するという約束を実行に移すべきだ」と述べた。 中国は気候変動問題について、責任ある大国の積極的な姿勢を示している。中国国家発展改革委員会は11月25日に発表した「中国の気候変動対応の政策・行動の2014年度報告書」の中で、中国の気候変動対応に向けた一連の政策・措置と、それによって得られた成果を全面的に紹介した。同報告書は、気候変動の減速、気候変動への適応、低炭素型の発展の試行・模範、能力の建設、全社会の広範な参与、国際交流・協力、気候変動に対応する多国籍枠組みの積極的な促進といった7つの部分に分かれている。米国と11月12日に共同発表した「中米気候変動共同声明」の中で、中国は「2030年頃のなるべく早い時期に二酸化炭素の排出量をピーク値とし、一次エネルギー消費に占める非化石エネルギーの割合を2030年に20%前後に高める」という目標を設定した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月4日
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