「都市病」と都市管理をテーマとする2014年中国都市学年次総会が、このほど杭州市で開かれた。都市生態環境サブフォーラムでは、霧と煙霧の発生源、煙霧の解消が困難な理由、都市病の防止などの問題について、専門家が議論を行った。人民日報海外版が伝えた。
◆煙霧の発生源
中国気象科学研究院副院長の張小曳氏は、「霧と煙霧は本来、自然界の異なる気象現象だ。霧は植物が排出する多くの二酸化炭素を含む気体の可溶性部分で、かつては自然現象の一種でしかなかった。しかし現在、霧と煙霧はいずれも深刻化する煙霧質(エアロゾル)汚染と関連している。この20-30年間に渡り、中部・東部の煙霧が日増しに深刻化しているが、これは人為的に大気中に排出された煙霧質の増加によるものだ。つまり現在は煙霧にせよ霧にせよ、人類活動と関連する大量の煙霧質粒子が混ざっていることになる。これにはよく取り沙汰されるPM2.5が含まれ、すでに単純な自然現象ではなくなっている」と指摘した。
◆煙霧が多発する原因
なぜ煙霧は多発しているのだろうか?中国科学院生態環境研究センターの賀泓氏は、「まず都市化率の急速な上昇という背景がある。先進国の過去の大気汚染は、主に都市化率が50%前後の段階で発生した。中国の都市化率もこの範囲内にある。これは一つの大きな背景だ」と指摘した。
賀氏は、「煙霧の多発には、気象の外的な要素があるが、大気の複合的な汚染という内因性が重視されている。大気の複合的な汚染条件が整えば、大気の酸化性が強化され、ガス状汚染物の粒子状汚染物への変化が加速される。これは中部・東部で煙霧が多発する根本的な原因だ。大気中のPM2.5もしくはPM10、およびその前身である汚染物は、現地の気候や地形などの条件によって形成される、環境の許容量を大幅に超えている。天気が穏やかな日が続けば、汚染物が拡散されず、大気中の微粒子が基準値を超えることになる」と分析した。
◆汚染防止の取組内容
賀氏は、「中国の煙霧発生の頻度を下げるため、4つの面から抑制を強化しなければならない。これには自動車排気ガスの削減、石炭燃焼による排煙の脱硫・脱窒、工業排気ガスの汚染の抑制、農業・牧畜の秩序なき排出とバイオマスの燃焼の減少が含まれる」と指摘した。
賀氏は、「そのうちガソリンの品質向上、自動車排気ガスの汚染抑制に優先的に取り組むべきだ。まず中国のガソリンの排出関連法には、極小微粒子の制限が規定されていない。ガソリンの極小微粒子発生を防ぐ技術の開発に着手し、新基準の法制化を支援するべきだ」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月28日
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