我々は歴史を覆そうとする日本の指導者を非難すると同時に、この件を通じて、日本が国の方向性として露呈した危険な兆候に気づき、警戒しなければならない。安倍首相が再任されて以来、歴史問題で一連の誤った否定的な動向が続けざまに出現している。安倍首相と安倍首相に代表される勢力が、歴史に基づいて歴史を語るのではなく、歴史の流れに逆行し、戦後体制の「束縛」を脱する方法を講じ、軍備拡張に力を入れ、平和憲法改正を推進しようと画策していることに目を向けなければならない。あくまでも侵略の歴史を反省せず、侵略戦争を公然と美化する中での平和憲法改正は、日本をどこへ導いていくのか?安倍首相の参拝の背後に隠れた政治的意図は、世界のすべての平和を愛する人々に警鐘を鳴らしている。
安倍首相の参拝後、私と大使館員は日本国内で起きた多くの批判と疑問の声を直に耳にした。一部の政界人は、安倍首相は首相として個人の考えや私人の立場で問題を考えてはならず、暗い歴史にきっちりと線を引き、参拝問題で「自重」するべきだとたしなめた。また一部の有識者は安倍首相が「暴走」し続けるのをなんとか阻止しようと公に呼びかけている。日本経済界、友好団体、地方政府、メディアなども安倍首相を批判している。彼らの中には、私と接触した際、「日本の指導者の靖国神社参拝は政治・外交上極めて責任感を欠いた行為だ。安倍首相には隣国との間に存在する問題を正視し適切に処理してほしい」と話す人が少なくなかった。多くのニュースメディアが社論や評論を発表し、安倍首相の参拝を批判した。日本の世論調査では7割近くが参拝に賛成しておらず、多くの一般市民が公の場で反対を表明している。最近、私は日本の新聞に掲載された多くの読者の投書を読んだが、その中には、「安倍首相が参拝にこだわるのは、世界に外交常識と国としての責任感の欠如を暴露し、国際社会で日本を四面楚歌に陥らせる」とした投書もあった。また、「安倍首相が『特定秘密保護法案』の可決を強行し、自衛隊に集団的自衛権を行使させようとしていることは、安倍首相が叫ぶ『積極的平和主義』に逆行している。安倍首相には日本国民を再び戦争に巻き込まないでほしい」とする投書もあった。これは、平和を愛し、是非をはっきりさせ、公平を主張する人が日本国内にも多いことを示している。
我々は国際社会とともに、日本右翼勢力の歴史逆行を断固として阻止し、アジアと世界の人々が血と命を代償にして手に入れた第2次世界大戦勝利の成果と戦後国際秩序を断固として守り、地域と世界の平和安定を断固として維持しなければならない。
(程永華中国駐日本大使)
「北京週報日本語版」2014年1月14日 |