▽日系企業はどこへ行く?
かつてテレビ業務を市場進出の手がかりと考えていた日系家電メーカーは、今では市場における「家電企業」という位置づけを振り払うのに必死だ。業務の多元化が、日系「家電」大手の一般的な選択となっている。
東芝関連部門の責任者は、「東芝は単なる家電企業ではない。中国ではインフラ、電子部品、デジタル、家電の4業務を柱としている。世界の業務における家電の割合は10%前後だ」と話す。
東芝の12年度財務報告をみると、営業総収入は5兆8003億円で、家電による収入は5915億円と1割程度に過ぎない。
東芝は大連工場を閉鎖すると同時に、米国のソリッドステートドライブ(SSD)メーカーのOCZテクノロジー・グループを3500万ドルで買収することを明らかにした。福建省福州市馬尾区で1億8千万元を投じて建設する中国の照明生産本部は、現在工事が進行中で、来年に生産をスタートする見込みだ。また大連工場の建物と用地は、医療機器や工業用電気機械製品などの生産拠点への転用を検討しているという。
消費電子分野の業務を堅持してきたソニーも、かねてより産業チェーンの川上・川下へ業務を拡張している。たとえばコンテンツ制作に進出するなどし、モバイル・映像・ゲームが三大電子コア業務となっている。また13年度半期報告をみると、スマートフォン(多機能携帯電話)がソニーの売上高の伸びにとって重要な要素だ。
シャープが発表した13-15年の中期経営計画「再生と成長に向けて」によると、ヘルスケア・医療、ロボティクス、スマートホーム/モビリティ(含車載)オフィス、食/水/空気の安心安全、教育が確定された新事業領域となっている。
前出の卓氏は、「日本企業が不必要な生産コストを切り捨てるのはよいことだ。これにより資源を優勢な分野に集中させることができる」と話す。
テレビは薄利の時代に入った。日系企業の資産軽量化を踏まえた運営という戦略はますます徹底されている。中国のテレビ大手は今、海外での工場開設に忙しいが、いつかは今日の日本のような日々を迎えるのだろうか。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年12月10日
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