中国の高級車市場の局面ははっきりしている。早くから中国国産化を達成した「ABB」(アウディ、BMW、ベンツ)のドイツ系三強がシェアの78%を占め、「第一線の高級車ブランド」とみなされている。これ以外の高級車、たとえば「レクサス」、「インフィニティ」、「アキュラ」の三大日系高級車やボルボ、ジャガーランドローバーなどは、ドイツ系三強の圧倒的な売上を前に「第二線」に甘んじるしかない情況だ。国産化スタートから長い時間が経ったABBは、中国市場に根を下ろし、価格戦争を仕掛けては、輸入に頼る日系三強をあたふたさせ、狼狽させている。日系三強は市場シェアが徐々に縮小する中、次々に態勢建て直しをはかり、復活のための戦いに備えている。各ブランドの今後の戦略から、さまざまな発展の兆しがうかがえる。「国際金融報」が伝えた。
▽インフィニティ 発展に向け大きく踏み出す
インフィニティは日系三強の中で中国進出が最も遅かったが、国産化は最も速かった。ここ数年は市場の主流になろうと努力してきたが、まだ主流にはなっていない。インフィニティ中国事業部の総経理(社長)に戴雷氏が就任し、志を同じにするスタッフが周りを固めると、「第四の高級車になる」とのスローガンを明確にうち出した。こうしてインフィニティは元気を取り戻し、ディーラーも再びやる気になっている。
ABBは中国で圧倒的な優位を占め、その座を揺るがすのは容易ではない。インフィニティが今やらなければならないことは、残る22%のシェアを勝ち取ることだ。今年の成都モーターショー開催前夜、インフィニティ側はメディアに対し、インフィニティブランドの知名度をもっと上げたいと述べた。逆にいえば、今はインフィニティにとって一つのチャンスなのだ。すなわちブランドイメージを新たに樹立し、ブランドの知名度を高めるチャンスということだ。戴総経理も、「第四の高級車を目指すというのは販売量で4位を目指すということではなく、ブランドで4位を目指すということだ」と話す。
そのためインフィニティは次のような努力を重ねている。第一に、国産化された車種をうち出し、中国市場向けに製造している。第二に、新しい命名システムをうち立て、中国の消費者が名前を覚えやすいようにした。第三に、日系化を避けて国際化を強調し、政治的要因によるリスクへの抵抗力を強化している。第四に、ブランドの露出度を高め、ブランドを宣伝するために、これまで以上の投資を行っている。
|