日本のデジタル産業が競争力を失い始めていることは紛れもない事実だ。この苦境をどう乗り切れば良いのか、打開策の議論が日本の産業界やエコノミストの話題になっている。日本の国際化を象徴する人物であり、エコノミストである莫邦富氏が、近日、雑誌「ダイヤモンドオンライン」で文章を発表し、今後ハイアールに謙虚な姿勢で学べるかどうかが、日本の家電産業の行く末を左右すると指摘した。
莫邦富氏は10年ほど前から、これ以上努力を怠れば日本の家電産業は中国企業に追い越されることになると、日本の企業に警鐘を鳴らしてきた。しかし、当時危機感をもつ日本人は多くはなかった。日本の家電メーカーは、中国の製造業といえば古びた薄暗い工場に怠惰な労働者、安価で低品質の製品という10年ないし20年前の感覚で中国企業を見ており、その多くが急速に発展する中国の家電メーカーに誤った認識を持っていると彼は指摘する。製品の質やサービスは世界をリードする日本企業には到底比べ物にならないというわけだ。
しかし、中国経済の急速な発展は家電業界に巨大な市場を提供することになった。中国の家電業界は絶えず革新を続け、世界市場の激しい競争を生み、世界の家電市場における最も重要な促進力になっている。この点、莫邦富氏も異を唱えない。莫邦富氏は「中日両国の企業地位に逆転が生じた」と述べ、ハイアールが三洋の白物家電業を買収したことは、中日家電業の地位が完全に逆転したことの象徴であると述べている。