まもなくロシア・サンクトペテルブルグで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の議長国ロシアは、グローバル経済を背景として、成長と雇用を今回のサミットの中心に据えるとともに、8つの優先的テーマを設定した。▽強く持続可能でバランスの取れた成長の枠組▽雇用▽国際金融の枠組改革▽金融の監督管理の強化▽エネルギーの持続可能性▽発展▽多国間貿易の促進▽反腐敗、の8テーマだ。また成長の枠組と国際金融の枠組改革というテーマの下に、▽投資・融資▽政府債務の持続可能性という2つの新しい特別テーマを設定した。人民日報海外版が伝えた。(文:黄薇、中国社会科学院世界経済・政治研究所グローバル統治研究室副主任)
強く持続可能でバランスの取れた成長の枠組をめぐり、G20サミットの通常討論のテーマとしてグローバル経済の展望、メンバー各国のマクロ経済政策の相互評価などが設定された。今回は通常の活動のほか、政策の評価を重点的に行い、特に財政政策の数量化の方法の設計、中長期の財政目標の設定戦略、波及効果の影響、リバランス問題などを重点的に話し合う。また今回の成長の枠組活動チームは問責評価のプロセスを初めて取り入れるとともに、サミットで問責評価の結果を発表する予定だ。執行力のあるG20は、G20の長期的な発展にプラスになる。
国際金融危機の枠組改革では、国際通貨基金(IMF)の出資割当額(クォータ)改革を進めることが、国際機関の公平性・公正性を体現する基本となるという点でG20は一致する。G20は今後、IMFが統治構造の改革を完了させるよう支援し、2014年1月までに第15回クォータ一般見直しを完了させるよう後押しする。だが米国国内ではまだ第14回クォータ見直しをめぐる立法プロセスも完了していない。この問題は米国の財政・経済・外交における弱点となっている。
雇用問題では、主にG20の枠組下の雇用活動チーム、国際的労働者機関、経済協力・発展機関などが話し合いに参加する。サミットでは雇用協力分野での進展として、▽グリーンで持続可能な雇用の創出▽若年層の訓練育成プロジェクトへの投資の拡大、教育・訓練育成の質の向上、若年層の雇用の促進▽社会保障システムの整備、などが発表される見込みだ。
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