安倍晋三首相の「3本目の矢」がついに放たれた。中国経済週刊が伝えた。
安倍首相は6月5日、経済成長戦略第3弾を発表し、構造改革を景気刺激の実施日程に盛り込んだ。これにてアベノミクスの3本の矢(大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資の刺激を中心とする構造改革)が出揃ったことになる。
しかし日本の株式市場はこれに冷淡な反応を示しており、同日の株価は暴落し、その後も低迷している。
日本のエコノミストは、「3本の矢を支柱とする日本再興計画について、市場からの疑問の声が高まっている。いかなる通貨の発行・流通も実体経済を後ろ盾とする必要があり、強い実体経済の基礎がなく、ただ単に金融緩和策を実施するだけでは、新たな市場危機を生むだけだ」と分析した。
劇薬は一時的な刺激効果をもたらすかもしれないが、根本的な病因を治療できなければ、計り知れない副作用が生じるだろう。
アベノミクスが非難の的になり、安倍政権はかつてない信用危機に陥っている。多くの人は、「アベノミクスは安倍首相の最後の日を示しており、破滅の運命を免れることはできず、二枚目の辞表を提出する日も遠くはない」と指摘している。
◆3本の矢がすべて的外れに
自民党の安倍首相は2012年12月26日に再任すると、一連の景気刺激策の実施を加速した。
アベノミクスの基本原理は、市場に大量の資金を投入することで、物価上昇率を高め、円安・輸出増・物価上昇・企業収益増・社員給与増を促し、最終的にデフレから脱却し、一般国民の消費能力と投資意欲を高め、日本経済の成長を実現することだ。
短期的には、アベノミクスは積極的な反応を生んだ。
昨年末より日本の株価が上昇し始め、特に今年5月以降に高騰し、世界で最も活気ある株式市場になった。ドルに対する円高の流れも変わり、大幅な円安が実現された。
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