注目に値するのは、検察機関が立件捜査した各種職務犯罪案件のうち、庁・局級が950人、省・部級以上も30人いたことだ。劉志軍ら「地位が高く権力も大きい」重大腐敗分子が法により調査・処分されたことも、中国の腐敗に対する「容忍ゼロ」が断じて空談ではないことを示している。
疑うまでもなく、司法の公正さを保証するにはまず司法の腐敗を撲滅することが必要で、より断固とした措置で司法の公正さを確保しなければならない。中国政府筋は、「腐敗を根絶するには、司法の不正に断固として反対し、司法の腐敗を断固として罰し、法や紀律により『獅子身中の虫』を処罰して、反腐敗と清廉提唱の実際の効果で人々の信用を得なければならない」と繰り返し強調してきた。世論はおしなべて、制度づくりを強化し健全な司法体系を構築することが、司法腐敗防止に欠かせないと考えている。
こうした背景の下で、最高人民法院と最高人民検察院の報告は2013年の活動に対して重点計画を立てた。
最高法院は、「法により汚職・賄賂犯罪を処罰し、反腐敗闘争を推進する。司法に対する大衆の信頼性向上を大いに強化し、法に触れたいかなる者も法によって処罰する。自覚的に各方面の監督を受け、法により公開されるべき一切の裁判は監督のための門戸を開く」ことを求めた。また最高検察院は「反腐敗・清廉提唱を積極的に推進し、反腐敗通報形式を整備し、検察部門指導者・幹部と検察担当者に対し厳格な教育管理と監督を行い、法律や規律に違反する行為に対して厳粛な処罰を行い、絶対に寛大な扱いをしない」とした。
中国共産党第18回党大会の後、中央新指導部は反腐敗についてのシグナルを続けざまに発し、「虎」(大物)も「蝿」(小物)もともに取り締まるという反腐敗の気運が高まった。わずか100日間で、四川省党委員会副書記の李春城、広東省党委員会統一戦線工作部部長の周鎮宏、元深圳市副市長の梁道行ら高官が失脚した。
今回の最高人民法院と最高人民検察院の報告はどちらも長くはなかったものの、内容は豊富で、すべてが的を射ていた。新たな情勢や新たな任務を前に、法院と検察院は「人民利益至上、憲法法律至上」と「法律監督の強化、社会公平正義の擁護」のテーマを堅持し、「小康社会」(ややゆとりのある社会)全面建設のために司法保障を提供していく。
「北京週報日本語版」2013年3月11日 |