全国政治協商会議(政協)委員を務める北京理工大学党委員会の郭大成書記は、4日午後に開催された全国政協教育部門分科会において、「教育は、国民生活における極めて大きな問題であり、全国民が関心を抱いている。しかし、国民が教育について批判することは許されておらず、教育の欠陥についてあれこれ言うこともできない。私はこれを由々しき問題だと感じており、我々は、この問題についてもっと多く話し合べきだ」と発言、教育問題をさらに掘り下げる必要性を強調した。人民日報海外版が伝えた。
郭委員は、自分の意見をより詳述するにあたり、「なぜ中国は傑出した人材を育てられないのか」を問う「銭学森の問い」を取り上げた。この話題に話が及ぶと、焦点は学校に向けられ、学校が有効な教学方法を持たず、人材育成ができていないという見解が示された。ある人間が成長する基礎となるのは学校であり、家庭や社会など各方面がサポートする必要がある。もちろん、学生自身の努力という要素も不可欠である。郭委員は、発言の締めくくりに、「決して焦り急ぎ過ぎてはならない」ことを強調した。
全国政協委員を務める北京師範大学の黄元河教授は、郭委員の意見に賛同し、「傑出した人物を育て上げるには、急ぎや焦りは禁物だ。焦れば焦るほど不本意な結果に終わる。気持ちを落ち着かせ、物事をひとつずつ着実に進めていかなければならない」と指摘した。
複数の記者からの取材に応じていた全国政協委員・復旦大学図書館の葛剣雄館長は、会議室廊下で、「郭委員の考え方についてどのように思うか」と質問された。彼は、非常な早口で、「『銭学森の問い』は、学校に焦点を当てたものではない」と答えた。
葛委員は、「銭学森氏の実績についていえば、氏は学校を創設したわけではなく、社会全体の発展に貢献した。教育問題は、単に学校だけの問題にとどまらず、社会全体の問題であり、社会全体が解決に向けて努力していかなければならない」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年3月6日
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