反腐敗に対してインターネットが独自に発揮する役割を、いっそう推進する必要がある。初期の段階では、無作為な監視監督方法をしばらくは続けて、さまざまな腐敗行動に対する抑制作用を確かなものとするべきだ。インターネットによる不正行為暴露は確かに偏った面もあるが、腐敗抑制で中国社会に大きく貢献することは紛れもない事実であり、この点に目を向けなければならない。

また、腐敗一掃に絡むその他の措置も疎かにしてはならない。長期的に見て、バーチャル社会としての欠陥ゆえ、インターネットに道徳規範や行為規範の裁判官補佐を長期的に任せるのは、やはりリスクが伴う。社会は、これらのリスクを管理し、社会統治に対してインターネットが担う役割を最大限まで引き上げると同時に、リスクの最小化に努めなければならない。

官僚は全員、「高級時計騒ぎ」をきっかけとして襟を正すべきだ。「クリーンな政治」がもはや避けては通れない風潮となり、「うまい汁を吸う」機会が確実に減り続けている事実を見極める必要がある。誰であれ、「うまい汁を吸う」テクニックを身につけるためにエネルギーを費やすのではなく、根本的に姿勢を正して不正を拒み、「ネット時代の官僚」が直面するリスクを徹底して回避するよう努めなければならない。また、「高級時計騒ぎ」は、制度化された表面的な腐敗対策が、実際の社会ニーズから大きく立ち遅れており、時代に見合うシステムの建設を加速する必要性がある現状を浮き彫りにした。

中国には今のところ、官僚が合法的権益を得るための「明文化されたルール」は存在しない。ルールを確立するためには、改革者側のバランスの取れた思考が必要であり、官職としての実践・改革の積み重ねも必要だ。官僚の世界に存在している「暗黙のルール」が、インターネットによって次々と暴露されている今、その「暗黙のルール」に従い続ける官僚には、失脚の日が来るのは目に見えている。（編集KM）

「人民網日本語版」2012年9月3日