高い実行難度
減税で財政収入は減るのに、財政支出は減らない。これが積極的財政政策を実施する上での圧力になっている。いかにして十分な財政支出能力を保証するのか?これについて中国人民大学経済学院副院長の劉元春氏は、「2013年は適度に財政赤字を増やし、赤字率を2%前後に設定してはどうか」との見方を示した。
2012年に財政部が確定した財政赤字率は1.5%だった。財政部のデータでは、2012年1~11月の全国財政収入は累計10兆8903億元で、前年同期より11.9%増えたものの、増え幅は前年同期より14.9ポイント低かった。増え幅の減少は主に構造的減税の影響によるものだ。2012年財政収入における税収の増え幅は同期比でちょうど14.9ポイント低い。一方財政支出は、2012年1~11月の累計で前年同期より17.9%増え、10兆4896億元となった。実のところ、2012年1~11月の財政は赤字ではなかったばかりか、4000億元余りの財政余剰が出ていた。
劉元春氏は、2013年の積極的財政政策には2つの特徴があると言う。1つはインフラ、公共施設及び民生分野への投資が引き続き拡大すること、2つめは中央の経済予測と地方政府指導部交代の相乗効果により、2013年初めに投資スピードの加速が見込まれることだ。減税に力を入れている状況下では、2013年の財政余剰は望めない。
招商証券の研究報告は2013年の積極的財政政策について次のような提案を行っている。1つは、税制改革と結び付けて構造的減税政策を整備すること。中小企業や第3次産業の発展と民間投資刺激の角度からは、営業税・増値税切り替え改革を進め、間接税を減らし、科学技術や革新的な分野の税金還付と補助金を増やす。輸出入貿易促進の角度からは、輸入関税をさらに減らし、輸出増値税還付を増やし、輸出信用を安定させる。そして2つめは、地方政府が建設の重複しないインフラ分野への公共投資に力を入れるよう指導することである。
「北京週報日本語版」2013年1月7日
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