本誌記者 蘭辛珍
中央経済工作会議は、2013年も引き続き積極的な財政政策と稳健な通貨政策を実施することを決定した。2008年の国際金融危機発生後に中国が積極的財政政策を実施して以来、今年で5年目になる。マクロ財政政策は短期経済政策であり、短期政策が長期化するとその効力は大幅に低下する。「2013年、積極的財政政策はどのようにして再び効力を発揮するのか?」という問題は、国内の多くの人の注目を集め始めている。
減税が主体
2012年12月20日、全国財政工作会議で、謝旭人・財政部部長は「2013年の積極的財政政策には構造的減税政策の整備と支出構造の適正化が含まれる」と指摘した。
構造的減税政策とは、具体的には営業税から増值税(付加価値税)への切り替えの試行推進を加速することで、特に「①小型・超小型企業の発展を支援する各財税政策の実行、②安定的輸出政策の整備、エネルギー・資源・原材料など製品の輸入関税軽減、先進技術設備とキーデバイスに対する比較的低い輸入暫定関税の実施、③不合理・不合法な費用徴収項目の整理・撤廃、高すぎる費用徴収基準の引き下げ、企業と社会の負担軽減、経済構造調整の推進」である。
中国は2012年初めから営業税・増值税切り替え試行改革を始めている。現在すでに上海市、北京市、江蘇省、安徽省、福建省、広東省など11の省・直轄市で相次いで試行が始まっており、営業税ではなく増値税を納入した試行企業は91万社に上る。改革の試行は効果を上げており、試行業界・企業の税負担が減り、産業構造のアップグレードが促進された。
財政支出の適正化面について、謝旭人部長は「2013年の財政は主に国内需要の拡大、就業・雇用を促進する政策措置の整備、農民所得の向上、商業貿易流通体系構築の支援、合理的な中央基本建設投資規模の維持、民間投資導入を奨励する財税優遇政策の実行などに力を注いでいく」としている。
謝旭人部長はまた、「民生への投入は2013年財政支出の重点になるだろう。中央財政は教育、医療衛生、社会保障と就業・雇用、保障性住宅(低所得者向け廉価住宅)プロジェクト、公共文化などに対するサポートに力を入れ、農業水利、貧困地域・少数民族地域、都市・農村発展一体化と都市化建設への投入を増やす。事業人員経費や公用経費など一般性支出及び「三公経費」(海外出張費、公用車経費、接待費)支出は厳格に規制する」とした。
中国社会科学院数量経済・技術研究所の李雪松副所長は次のような見方を示している。「積極的財政政策の実施期間は多少長くはなったが、中国のマクロ経済発展の必要性に適応している。現在中国経済は下げ止まり上向きになりつつあるが、まだ完全に底を打って回復してはいない。積極的財政政策の継続は経済の安定成長を維持する上で必要とされている。政策効力が逓減する中で、積極的財政政策の効力を引き続き発揮するためには、政策の注力点を相応に転換しなければならない。最も大切なのは支出拡大から減税・支出適正化への転換だろう」。
李雪松氏はまた、「積極的財政政策は今後の経済社会発展目標とも適応している。中国共産党第18回全国代表大会では住民所得倍増という目標が打ち出された。さらなる国民所得分配構造の調整が必要であることは間違いない。社会安定のために、中国は比較的短期間で中所得層規模をさらに拡大しなければならない。積極的財政政策はこの点を考慮しなければならない」としている。
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