生産能力過剰解消を重点に産業構造調整を加速
経済成長の質と効果利益を向上させるには、注力点が必要だ。会議は、「経済法則を尊重した、質と効果利益が高く、持続可能な発展を実現するためには、産業構造戦略的調整の深化が鍵となることを提起した。
交通銀行チーフエコノミストの連平氏は、「国際金融危機によって世界市場は萎縮し、それまでは輸出で消化していた過剰で立ち遅れた生産能力の調整が必須となった。調整しなければ活路はない。一刻も猶予できない」と指摘する。
国務院発展研究センター産業経済部部長の馮飛氏は、「生産能力過剰問題は切迫している。今後かなり長い期間の苦しい調整が必要だ。現在、従来型産業と一部の新興産業に過剰が見られ、鉄鋼など一部産業の生産能力過剰は非常に深刻だ。この問題の解決に必要なのは、在庫調整と産業再編で手を打ち淘汰されるべきは断固として淘汰すること、そして今後の発展を切り開きリードすべく企業技術改造をおおいに支援することが必要だ」と指摘する。
農民の都市住民化を推進
都市化は内需拡大の最大の潜在力である。会議は「都市化を積極的かつ確実に推進し、都市化の質の向上に力を入れる。農民の都市住民化の秩序立った推進を重要任務とし、しっかり取り組むべき」と強調した。
最低限の生活レベルを保障
会議は、「最低ラインを守り、重点を際立たせ、制度を整備し、世論を導く」の構想に沿って国民生活関連業務をしっかりと行い、低所得層の基本的生活を重点的に保障することを打ち出した。
張立群氏は次のように述べている。「国民生活の保障については、全力で取り組む同時に力相応の取り組みも必要だ。最低ラインを保障し、重点をはっきりさせることが非常に重要だ。政府活動の重点の1つは基本公共サービスの提供であり、最低ラインとは基本的な生活に支障がないことを確かに保証するものだ。低所得層は社会的困難に直面している層であり、この層の人々は特に政府の支援を必要としている。しかも経済成長の鈍化と構造調整の推進にともなって一部の人の就業と所得に影響が出ている。それに応じた保障を早めに準備しておくべきだ」。
改革ロードマップ・スケジュールを打ち出し
今の中国において、さらなる改革深化に対する社会各界の期待は大きい。会議は、体制改革を全面的に深化するトップダウン設計と全体計画を一歩踏み込んで検討する旨を強調し、改革の全体プラン、ロードマップ、スケジュールを明確にした。
「『改革全体案、ロードマップ、スケジュール』という言い方は人心を奮い立たせるものだ。これは、今後の改革が個別事項に限られるのではなくトップダウン設計を強調すること、散発的ではなく全面的な考慮がなされていること、掛け声だけでなく具体的な実施重点とステップを伴っていることを物語っている」と連平氏は話す。
中国経済が構造調整と発展モデルの転換を行う上で直面する困難の根源は体制メカニズムにある。改革を深化させ、思い切って既得権益を打破することは社会の共通認識になっている。政府職能、所得分配、独占業界、金融体制、戸籍制度、社会管理体制など各分野の改革を早急に推進する必要がある。
「北京週報日本語版」2012年12月18日 |