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「空竹」文化を世界へ――中国ゴマ職人の張国良さん

伝承の技が生み出す新たな伝説

「今は長屋式の家に住む人もいなくなり、みんな新築の高層住宅に住むようになって、人と人との心のふれあいが少なくなってきたように思います。でも『空竹』をやるようになって、住む階の違う人との交流が増えたし、昔ながらのあの賑わいと心のふれあいも戻ってきました」。「空竹」が今の北京市民の生活にもたらした変化について張さんは、「『空竹』が心の絆のような役割を果たし、人と人との距離を縮め、北京っ子にもともとあった質朴さを取り戻した」と話す。

                  張国良さんの工芸「空竹」。(左から)梅、蘭、竹、菊

 2005年、張さんが苦労しながら守ってきた「空竹」作りの技が北京市政府から無形文化遺産として正式に申請され、2006年に登録された。張さんは国務院から「国家級無形文化遺産空竹製作伝承者」に認定された。

2008年の北京オリンピックでは、張さんが製作した「空竹」の記念品が「北京土産」として外国人に贈られた。今では、「空竹」は最も典型的な「北京土産」になっている。

2009年、張さんと関連部門の努力により、広安門内に全国初の「無形文化遺産空竹博物館」が作られ、張国良さんの「空竹」作りの技が博物館に正式展示された。「この博物館は『空竹』文化交流の場であり、商品展示の場でもあります。また、愛好家に交流と購入の場所を提供し、『空竹』文化の向上にとても役立っています」と張さんは話す。

2010年には、張さんのデジタル「空竹」博物館が誕生した。博物館は3Dシミュレーション技術を採用し、「空竹」博物館の収蔵品、「空竹」研究成果、「空竹」伝承者の製作過程などを3D技術でインターネット上に再現した。しかも中国語と英語の2カ国語版があり、「空竹」文化の影響を広げ、「空竹」文化をネットで世界に紹介し、「空竹」文化を国際的影響力のある首都の文化ブランドに育て上げた。

「私は『空竹』文化を最初に世界に伝えました。謙遜せずに言えば、祖先から受け継がれてきた技をさらに伝承し発展させました。その成果を一言で言えば、『祖先の名を上げた』ことでしょうか」。長年の努力と革新の成果を質問した記者に対し、張さんはこう語った。

「空竹」文化をさらに効果的に伝承し守っていくために、張さんは北京の小中高校や大学で「空竹」作り教室を開き、無形文化遺産保護と発展多様性の探求と研究を行っている。

この数年、「空竹」作りという職業は張さんに多くの栄誉をもたらし、張さんは有名になった。張さんはシドニーで行われた作品展、オリンピック期間中の「空竹」作り披露と作品展示、2009年の香港「京港商談会」、2010年台湾の「京味之旅」文化交流活動、2012年の「第3回中国空竹招待大会」など多くのイベントに参加している。その作品は国内外から広く称えられ、中国民俗文化の影響力を高めた。

今では、北京では「空竹」が次第に盛り上がりを見せ、愛好家やコレクターが増えつつある。しかし、竹製の「空竹」を作っているのは張さんのところだけだ。張さんは「もっと多くの人が伝統的な竹製の「空竹」を作り、多くの愛好家のニーズに応えられるようになってほしい。私は保守的ではありません。教えてほしい人がいれば、技術を全部教えます」と話す。

張さんは、「最大の夢は、生きている間に北京伝統文化拠点を作ることです。『空竹』だけでなく北京ならではの他の伝統工芸も見ることのできる、北京の伝統文化をアピールする拠点にしたい。能力に限りはあることは分かっています。でも微力ながらも全力を尽くしていきたい」と語った。(写真はすべて本誌記者石剛撮影)

「北京週報日本語版」2012年10月10日

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