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北京週報>>特集>>無形文化遺産が伝える中国の物語>>無形文化遺産伝承者は語る  
「空竹」文化を世界へ――中国ゴマ職人の張国良さん

 

一族が受け継いできた技

「『空竹』は娯楽、健康増進、パフォーマンス、競技を一体化した民間游芸活動で、自分でやって楽しい上に鑑賞性もある。昔の北京では街のあちこちで『空竹』を楽しんでいたものです」と張さんは話す。張家では、生活の必要に迫られて祖父の代から「空竹」作りを生業にしてきたという。

                               どの工程も細かい手仕事だ

 張さんの祖父にあたる張瑞如さんは、幼少期から木工職人に木工を習い、すぐに上達し技術を身につけた。後に生活に困り、「空竹」を作って売るようになる。張瑞如さんは温厚な人柄で、作る「空竹」も精巧に出来ていたため、北京っ子たちから大変好まれた。張さんの父親の張宝全さんの代には、「空竹」作りの技をさらに高めた。張宝全さんは様々な大きさの「空竹」を作れただけでなく、通常のものとは形の異なるものを初めて作り出し、当時の好事家たちから称えられた。祖父と父親の名声が高まるにつれて、「空竹張」の名は北京の愛好家たちに深く刻まれていった。

「『空竹』をする時は、1本のひもの両端に50センチ前後の竹の棒を結びつけ、ひもを軸に巻きつけて『空竹』を回転させます。力を加え続けて回転速度を上げると、『空竹』の胴に開けた大小2つの穴から低音と高音が出ます。『空竹』はこの原理で、音を遠くまで響かせるんです」と張さん。幼い彼を魅了したのはまさにこの音だった。

1990年、張家に受け継がれてきた技を守るため、十数年「空竹」を作っていなかった張さんはためらうことなく安定した仕事を辞め、自宅で「空竹」作りに専念することにした。「あの頃は場所がなかったし資金もなかったので、家でやるしかありませんでした。十数個、二十数個と作ると竜潭湖のほとりに売りに行きました。売れた日はいいですが、売れずにお金にならなかった日はいつも家族に恨みごとを言われましたよ」。張さんは当初の大変さを感慨深げに振り返る。

「大変でしたがずっと続けてきました。そのうち愛好家の間で噂になり、買ってくれる人が増えました。暮らし向きもだんだん良くなり、自信もつきました」。張さんによれば、「空竹」愛好家は昔ながらの北京に対する思い入れがあるという。「『空竹』は身体を鍛えられるだけじゃない。もっと大切なのは、昔に戻ったような気持ちになれることです」と張さんは言う。

「空竹」のさらなる普及のために、張さんは得意の木彫りの技を存分に発揮している。雕刻、紋様の焼き付け、切り紙細工などの手法を取り入れた張さんの「空竹」は、玩具であると同時に鑑賞や収集にも耐える芸術品でもある。こうした形式上の革新も「空竹」に新たな文化的意義を吹き込んでいる。

「2004年の旧正月期間中、伝統民間工芸の作り手の代表として、市政府が人民大会堂で開催した交歓会に招待されて、『空竹』のパフォーマンスをしました。会場に持参した約200個の『空竹』も全部売れました」。張さんは、生まれて初めて正式に招かれた人民大会堂で、来場者の『空竹』に対する情熱に感動し、伝統工芸者としての価値を初めて実感したのだという。

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