同氏と孫副院長は、中日間の摩擦による両国経済への影響は実体経済に集中し、日本に対する影響は中国を上回ると指摘した。財務省が9月24日に発表した貿易統計(速報)によると、日本の8月の輸出入総額は共に減少し、8月の貿易赤字が7月の赤字額、および市場の予測を上回った。日本の8月の輸出額は、前年同月比5.8%減の5兆459億円となり、前年同月比で3カ月連続の減少となった。
孫副院長は、「中日間の貿易額は近年増加しており、両国経済、特に日本経済の発展を促している。欧米経済の低迷が続く中、世界は中日韓自由貿易協定(FTA)が、今後の経済成長の原動力になると期待していた。ところが年内に開始されるはずだった協議は、釣魚島問題等の摩擦によりストップされている。中日間の貿易戦争の激化に伴い、人民元と円の直接取引の需要が大幅に減少するだろう。両国の金融提携がスタート段階にあるため、これによる影響は非常に限られているが、両国の金融に対する打撃と言える」と語った。中日間の貿易額の増加を受け、中国銀行間外国為替市場は6月1日、人民元と円の直接取引を開始した。
上述した外資系銀行の関係者もまた、「中国・日本・韓国等のアジア諸国の貿易額が増加を続けているため、各銀行も人民元のアジア諸国でのクロスボーダー決済を推進している。しかし中日間の貿易が深刻な圧力に直面しており、中日間の同決済業務も自然と減少している」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年9月26日 |